感情の揺れ方

それでも笑っていたい

2020-01-01から1年間の記事一覧

週間日記(2020/7/27~8/2)

7/27(月):ジャンプの出ない月曜日など、夏休みのない8月のよう…。先週が合併号だった影響で今週は発売がありませんという話だけなのだが、今年に限って言えば「夏休みのない8月」はメタファーでもファンタジーでもなくなってしまった。2020年の日本は、「君…

週間日記(2020/7/20~7/26)

月曜日:週の始まりから、非常に体力を使う一日だった。京都は嘘みたいに暑く、急に夏が来た雰囲気に満ちていて、それなのに祇園祭の山鉾はどこにもない。観光客のいない四条通にはただこんちきちんだけが鳴り響いていて、すこしだけずれた世界線に来てしま…

週間日記(2020/7/13~7/19)

7/13(月):梅雨がめちゃくちゃ長い。いつまで雨が降るのだろう。このまま雨が降り続いて、離島から東京に逃げてきた少年と貧困に喘ぐ少女が出会って、最終的に東京が海に沈んだりするのかもしれない。代々木の廃ビルはもう解体されてしまったのだろうか。朝…

野木亜紀子脚本『MIU404』第3話

ルーブ・ゴールドバーグ・マシン。「ピタゴラ装置」と言う方が分かりやすいだろうか。つまりはいくつもの手の込んだからくりを用いて、それらが次々と連鎖していくことで動作する機械、装置のことなのだが、『MIU404』の第3話においてルーブ・ゴールドバーグ…

週間日記(2020/7/6~7/12)

7/6(月):マスクをする習慣がつかない。まだつかない。リラックスした状態で準備をすれば最後にちゃんとマスクをすることが出来るけれど、ちょっとでも急ごうものならたちまち忘れてしまう。今日もアルバイトへ行く途中、駅に着いたところでマスクをしていな…

週間日記(2020/6/29~7/5)

6/29(月):昨日より暑くなった。そもそも今日は久しぶりにアルバイトへ行ったのだ。ものすごく久しぶりに。正直なところ全然やる気はなかったけれど、最近落ち込んできた気持ちを無理やりにでも切り替えようと頑張った。行きの電車は以前よりも空いているよ…

松本大洋『ピンポン』~見える者、そして見えざる者~

「ヒーローとはなにか」、あるいは「才能とはなにか」。卓球に青春を捧げる人々を通して、松本大洋の『ピンポン』はそのテーマを丁寧に描いていく。 そして『ピンポン』において、「ヒーロー」の資質を持つものと持たない者は「見える者」と「見えざる者」と…

カン・ヒョンチョル監督作 映画『スウィング・キッズ』

傑作が誕生した。新たな疫病の流行、アメリカに端を発する人種差別問題の再燃、ポリティカル・コレクトネス。これらがエンターテインメントに与える影響は大きすぎるほど大きく、誰の目にもつかない場所で死んでいった何か、誰かは確実に存在するだろう。し…

週間日記(2020/6/22~6/28)

6/22(月):月曜日。ほとんど曜日の関係がない生活をしているけれど、それでも月曜日は新しい一週間の始まりだ。あと「ジャンプ」が出る。朝起きて、ご飯を食べながらTVerで「探シタラTV」を見る。ザ・マミィの酒井さんはズルい。あの表情はズルいな。めちゃ…

グレタ・ガーウィグ監督作 映画『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』

非常に美しい映画だった。なんと言えばいいのか、俳優陣や街並み、木々や波打ち際に至るまで、画面に映し出されるすべてのものが美しかった。 ルイーザ・メイ・オルコットによる世界的なベストセラー小説『若草物語』を原作に、グレタ・ガーウィグが監督・脚…

週間日記(2020/6/15~6/21)

6/15(月):昨日ほどの蒸し暑さはなく、比較的過ごしやすい夜になった。雨が降らなかったことが大きい。いつもの平日よりはゆっくりと起きた。すっきりとした目覚め。朝ご飯を食べてから掃除をしたり、家のことを済ませる。月曜日なので近所の書店へジャンプ…

デュ・モーリア著『レベッカ』

ゆうべ、またマンダレーに行った夢を見た。 一生忘れられない書き出しがあるとして、それがこの一文ではないかと思う。謎めいた書き出し。「マンダレー」という言葉の持つ、独特な響き。けれど、ただ一度この書き出しを読んだだけでは、決して鮮烈なまでの印…

週間日記(2020/6/8~6/14)

6/8(月):今日は用事があって梅田へ行った。昨日の京都に引き続き、数か月ぶりの訪問。行きの電車内ではデュ・モーリアの『レベッカ』を読む。クンツェ&リーヴァイというゴールデンコンビによってミュージカル化もされている、近代イギリス文学屈指の名作な…

週間日記(2020/6/1~6/7)

6/1(月):6月の幕あけだ。盛大にファンファーレを鳴らして欲しい。日々は決して当たり前に過ぎるものではない。今日はインプットの多い日だった。格好つけてはいるが、要するに色々なものを見るばかりで特に何かを書いたり作ったりはしていないですよ、とい…

ジェスミン・ウォード著『歌え、葬られぬ者たちよ、歌え』

「帰ろう」と彼らが言う。「帰ろう」 自身二度目となる全米図書賞を受賞したジェスミン・ウォードの『歌え、葬られぬ者たちよ、歌え』は、ミシシッピに生きる黒人の現実を痛いほどにえぐりながら、上のような一文で終わりを迎える。果たして彼らはどこに帰る…

週間日記(2020/5/25~5/31)

5/25(月):暑い。昨日より暑いような気がして、部屋着の半袖パーカーをパージしたけれど、最高気温は今日の方が低かったらしい。ただ、こういうのは体感の問題だと思ったりもする。朝ご飯を食べ、「バナナムーン」を聞きながら掃除機をかける。設楽さんの「…

週間日記(2020/5/18~5/24)

5/18(月):月曜日。起きて朝ご飯を食べながら、録画していた「バナナドライ部」の続きを見る。陽が沈んだ真っ暗の中を遠くから歩いてくるMr.シャチホコがめちゃくちゃ面白かった。しかも桜井和寿のモノマネをしながら。午前中は掃除機をかけたり、ジャンプを…

武内宜之監督 映画『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』

果たしてこの作品は、本当に「タイムリープもの」であると言えるのだろうか。ポスターを見ればそこには「繰り返す夏休みの1日、何度でも君に恋をする」とあるし、作品自体へのイメージも『時をかける少女』などのタイムリープものと似ているような印象を感じ…

『鬼滅の刃』最終回に寄せて

吾峠呼世晴先生による『鬼滅の刃』の連載が2020年5月18日発売の週刊少年ジャンプを持って終了しました。 まず、本当にお疲れ様でした。そして、ありがとうございました。こんなにも素晴らしい作品の第1話から最終話まで、そのすべてをリアルタイムで楽しむこ…

週間日記(2020/5/11~5/17)

5/11(月):暑い。ベッドから抜け出すと、部屋を漂う空気がもう夏のそれだった。早い。春はどこへ行ったのだ。朝ご飯を食べながらTVerで「探シタラTV」を見る。こういうご時世のリモート対策がなされたうえでの新番組で、逆にセットがめちゃくちゃオシャレな…

2019年星組公演『アルジェの男』─柴田侑宏の人間賛歌と、それに応える礼真琴─

野望に生きたジュリアン・クレールは最後に愛を知ることが出来たのかもしれない。しかし、友情を知ることは最後までなかった。 柴田侑宏作『アルジェの男』は1974年に初演、以来1983年と2011にも再演、2019年には礼真琴を主演に据え星組で上演された。物語は…

週間日記(2020/5/4~5/10)

5/4(月):暑い。暑いというか、湿度が高い。部屋着ですら何を着ればいいか分からなくなってしまった。今日は少しだけ外出。車に乗って、近所の家電量販店へ。PS4で使うためのヘッドセットを探しに。安いやつでいいかなぁとなんとなく考えていたのだけれど、…

2018年花組公演『ポーの一族』~「極上の美」はそこにある~

『極上の美 永遠の命 底知れぬ恐怖 知りえぬナゾ 伝説の中に 青い霧と たそがれと闇の中に しとどおちる血と 冷たい指と ほほえみの中に 霧の森の奥深く バラ咲き乱れる苑に住む 我らは一族 時を止め 生き続ける 我らは一族 ポーの一族』 目の前の人間が本当…

週間日記(2020/4/27~5/3)

4/27(月):自分が今住んでいる場所が田舎であるということを痛いほど再認識させられる日だった。午前中はまず朝ご飯を食べて、どうぶつの森をして。無人島のインフラ整備を進めつつ、宅急便を待つ。星組公演のBlu-rayや今月号の宝塚グラフを午前中の指定にし…

週間日記(2020/4/20~4/26)

4/20(月):朝から雨が降っていた。雨降りの午前中はどうしても眠くなってしまうけれど、どうにかベッドを抜け出してストレッチをする。このルーティンを始めてから一週間くらい経つ。なんとなく背中の凝っている感じが薄れてきているような気がする。気のせ…

ルイジ・ルキーニは「信頼できない語り手」か?~2014年花組公演ミュージカル『エリザベート─愛と死の輪舞─』より~

信頼できない語り手(しんらいできないかたりて、信用できない語り手、英語: Unreliable narrator)は、小説や映画などで物語を進める手法の一つ(叙述トリックの一種)で、語り手(ナレーター、語り部)の信頼性を著しく低いものにすることにより、読者や観…

細田守監督作 映画『デジモンアドベンチャー』『ぼくらのウォーゲーム!』

『デジモンアドベンチャー』、いわゆるデジモンシリーズの中で「無印」と呼ばれるテレビシリーズが放送されていた当時、果たして世代ど真ん中だった私は毎週の放送を待ちわびていた。それがもう20年も前の話だということにびっくりしているのだが、この2020…

週間日記(2020/4/13~4/19)

4/13(月):雨の月曜日。一日中雨が降っている。日付が変わりそうな今も。こういう日は無意識に、閉じこもってしまう。とはいえジャンプは買いに出たけれど。少年なので。朝ご飯に甘いパンを食べて、午前中は家のことをする。「オードリーのオールナイトニッ…

2018年月組公演『THE LAST PARTY~S.Fitzgerald's last day~フィッツジェラルド最後の一日』─月城かなとの持つ細やかさ─

1920年代アメリカ、狂乱のジャズ・エイジ。人々は歌い、踊り、不可能など存在しないかに思われた栄光の時代。その象徴として生き、挫折を背負いながら死んでいったスコット・フィッツジェラルド。そんな彼の波乱に満ちた人生を描くのが、植田景子作・演出の…

映画『ジョン・ウィック:チャプター2』

『ジョン・ウィック』に続いて、こちらの『ジョン・ウィック2』も大好きな雰囲気の映画だった。前作は今までのノワール映画、あるいはアクション映画とはひと味違う外連味にあふれた仕上がりだったが今作もそれと違わぬ、いやむしろハッタリの効かせ方が別方…