感情の揺れ方

それでも笑っていたい

小説

デュ・モーリア著『レベッカ』

ゆうべ、またマンダレーに行った夢を見た。 一生忘れられない書き出しがあるとして、それがこの一文ではないかと思う。謎めいた書き出し。「マンダレー」という言葉の持つ、独特な響き。けれど、ただ一度この書き出しを読んだだけでは、決して鮮烈なまでの印…

ジェスミン・ウォード著『歌え、葬られぬ者たちよ、歌え』

「帰ろう」と彼らが言う。「帰ろう」 自身二度目となる全米図書賞を受賞したジェスミン・ウォードの『歌え、葬られぬ者たちよ、歌え』は、ミシシッピに生きる黒人の現実を痛いほどにえぐりながら、上のような一文で終わりを迎える。果たして彼らはどこに帰る…