感情の揺れ方

それでも笑っていたい

週間日記(2021/11/15~11/21)

 11/15(月):秋晴れ。秋晴れというか、まさしく小春日和。寒暖差が激しく、寒いのか暖かいのか分からない。ぼんやりと起きて、ぼんやりと朝ご飯を食べる。「ラヴィット」を見ながら、一週間ぶりにボールペン字の練習を再開した。自分で言うのもなんだが、継続に関しては珍しいタイプの人間だと思う。極端な飽きっぽさと異常な執着が裏返しになっている。ひらがなを延々書き続ける。なんとなく、自分が満足するくらいの領域に達するまではあと1年くらいかかるような気がしている。頑張っていきましょう。「ラヴィット」のゲストには呪われたセーラームーンことZAZY。ザジーではなく、ザズィー。VTRには錦鯉。エンディングまで見届けたあとは、家のことに取り掛かる。「バナナムーン」を聞きながら掃除機をかける。リビングにこたつが導入されたため、夏場よりも手間がかかるようになったが、季節を感じるのでそれも良い。窓を開けるとめちゃくちゃ寒いので、それはダメ。ウォーキング中の日村さんを襲う失礼野郎と、隠れ食いの発覚。ウォーキング中にコロッケを食べようと思うのがもうすごい。そりゃ瘦せない。その後は外出して、最寄りの書店でジャンプを買って帰宅。風は冷たいけれど、陽向を歩いていると暖かい。服装の難易度が高い。マウンテンパーカーを着て出たらすこし暑かった。『呪術廻戦』がやっぱり面白い。そしてジャンプの紙が変わったような気がする。なんとなくだが。すこしの仮眠を挟み、午後はぼちぼち作業を進めた。クローゼットの衣替えと同時に、もう着なくなった服の選別を進めた。ゆっくりと引っ越しに向けた整理を始めている。本当にゆっくり。エントリーを書いたりしていたら、あっという間に夜。夜は特に何もしていない。早めに寝るか、もうすこし作業をしてから寝るかという具合。

 

 11/16(火):天気が良い。小春日和が続く。今日も「ラヴィット」。そしてボールペン字の練習。ひらがなから漢字のフェーズに突入したのだが、めちゃくちゃ難しい。ひらがなで難しいと嘆いたころの自分を殴りたい。いやむしろ、まだひらがなも満足にかけていないのに漢字の練習を始めたことがそもそもの間違いなのだろうか。暗中模索……。とりあえず一周して、その後はとにかくひらがな、漢字を別々に練習する方が良さそう。「ラヴィット」を見たあとは身支度をして、軽く外出。散歩がてら、市内の図書館まで歩いた。数年前に建て替えが終わってから初めての訪問。来年に備えての勉強をするための研究書を一切持っていないので、預かることが出来る恩恵には預かろうという心持ち。綺麗な建物で、窓の大きな室内も心地よかったけれど、Twitterだとめちゃくちゃ炎上しそうだなと思った。これは悪いセンテンスです。貸出カードを作成し、リストアップしている作品のいくつかを検索して、今日のところは何も借りず帰路に就いた。俗に言う様子見というやつである。DVDにコーナーに舞台作品でただひとつ劇団四季の『鹿鳴館』が置いてあり、すこし面白かった。チョイスが渋い。川沿いをぶらぶらと歩き、自宅近くの喫茶店でアイスコーヒーをテイクアウトして帰宅。普通に汗をかいていたので、ホットではなくアイスにした。午後は作業をしたり、勉強をしたり。『川霧の橋』の感想エントリーをようやく書くことが出来た。スピード感が足りていない。あっという間に夜。ほとんど総集編だった「バナナサンド」スペシャルから「マツコの知らない世界」へのリレー。おそらくスープカレーをお店で食べたことが一度もないので、「正解のスープカレー」に出会ったことがない。ちゃんとしたところで食べると美味しいのだろうなとは思うのだが、ちゃんとしたところがない。「明るい廃墟」としてインターネットを賑わせ、リニューアルされる前の最初期ピエリ守山にはスープカレーのお店が入っていたような記憶があるが……。もう10年以上前になるので、真偽は不明だ。眠いので、今日は早めに寝たい。

maholo2611.hatenablog.com

 

 11/17(水):今日も小春日和と言いたいところだが、一歩も外に出ていないので何も分からない。夕方の天気予報によると、やっぱり一日の気温差が激しく昼間はそれなりに暖かったらしい。天気予報を見ることで生まれる、世界との繋がり。今日もぼんやりと起きて、「ラヴィット」を見る。とにかくボケの手数が多いすゑひろがりずのロケを横目に見つつ、ボールペン字の練習をする。激ムズ文字こと漢字。先は長い。今日は作業が捗ったような、捗っていないような。午前中はとりあえず英語の勉強をする。先は長いといえばこれだってそうで、言ってしまえば語学に終わりはない。いや、終わりのある勉強などない。修論を出すとか博士号を取るとか、そういうことを「終わり」と考えることも出来るけれど、それは「ゴール」であって「終わり」ではない。終了のホイッスルは鳴らず、ただ命が消えていくのみ。そんな気がする。午後はぼちぼちと作業。エントリーを書いたり、仮眠を取ったり、哲学書を読んだり……。哲学書と言ってもゴリゴリのやつではなく(語弊のある言い方)、アドルノによる「文化批判と社会」を読んだのだが、もう本当にさっぱり何から何まで分からなくてびっくりしてしまった。脳内の哲学筋が衰えている。これは相当な訓練をやり直す必要があるなと思った。おそらく明日は筋肉痛になっている。「アウシュビッツ以後、詩を書くことは野蛮である」という、有名なあまりにそれだけが独り歩きしているその一節を正しく読むためだったのが、予想よりもタフだ。夜は特に何もせず。録画していた『青天を衝け』を見たりした。元月組トップ娘役の愛希れいかさんが出演するというそれだけの理由で録画したのだが、ドレス姿に貫禄があって良かった。早く寝るか、作業をしてから寝るか。

   

 11/18(木):寒いこともなく暖かいこともなく。過ごしやすかったような気もする。ぼんやり起きて、ぼんやり「ラヴィット」を見る。ウワサによると安住アナが早朝6:00にワインをグビグビ飲んでいたらしい。「ラヴィット」より攻めている。もう誰も何も言えない領域の人だと思うので、そのまま行けるところまで行って欲しい。VTRロケに男性ブランコが出ていて良かった。今年のキングオブコント男性ブランコは二本ともかなり面白かったし、出場が今年じゃなければ優勝していたような気がする。午前中はそのままぼんやりと過ごした。早朝大喜利番組を最後まで見届けた後はコタツで本を読んでいたものの、頭にはまったく入らず。そういうこともある。昼に30分くらいの仮眠を挟んで、午後からは活動出来た。ボールペン字の、英語、作業……。結果的に書くことはほとんどない。夜は特に何もせず。爪を切ろうかなぁ。どうしようかなぁ。引き伸ばすことも出来ないので、早めに寝ようと思う。

 

 11/19(金):花粉がすごい。ものすごい。二日くらい前からやけにサラサラした鼻水が出るなと思っていたけれど、そういえば花粉の季節だった。春と秋、要するに一年の半分は花粉に苦しめられている。ハウスダストにも弱い。生まれた時代が時代なら大人になる前に死んでいただろう。そもそも私は切迫……以上!今日もぼんやりと起きて、ぼんやりと朝ご飯を食べる。気温が下がってきて、朝は水をコップ一杯飲んだあとコーヒーを淹れるようになった。九分九厘インスタントだけれど。常飲しているインスタントコーヒーのパッケージには「一日三杯ポリフェノール習慣」と書かれているのだが、そんなに飲んだら別の部分で不調が起きたりしないのだろうか。カフェイン……。もちろん今日も「ラヴィット」を見る。私の裁縫セットは例にもれずなんかドラゴン的なものがデザインされているやつでした。エンゼルス大谷翔平がMVPを獲得したという速報が放送中に入り、ワイドショー的なスタイルを一切取らないこの番組でもさすがに触れていた。触れていたというか、大喜利中だったので解答に利用されていた。番組を終了まで見届けて、家のことに取り掛かる。「ハライチのターン」を聞きながら。この数週、クラウドで話されていたラーメン屋あるあるのコーナーが昇格し、本放送で扱われるようになったので嬉しい。元々はコミックナタリーに取材を受けた岩井さんの写真がどう見てもラーメン屋の店主だというところから始まったのだが、本当にラーメン屋の店主そのものなので見て欲しい。その後は薬局で買いたいものがあったので外出して、散歩ついでに歩いて行った。陽向と日影の気温差が激しい。店内をうろついていたら、ずっと探していた「耳ほぐタイム」も売っていたのですぐに購入した。ざっくり言うと「あたたかくなる耳栓」なのだが、寝るときに使用すると安眠できるらしいので気になっていた。思わぬ収穫。だいたい12時くらいに帰宅して、午後からは作業をしたり、勉強をしたり。アドルノの『文化批判と社会』が本当に理解できないので、ノートを広げながら一段落ずつ内容を整理するという本格的なやり方で読み直した。だいたい一時間で二段落。一年かけて3ページしか進まなかった講義とかもあったので、哲学書はこんなもんだと思って欲しい。英語は訳したものをドキュメントにまとめた。録画していた「有吉クイズ」のスペシャルを見ながら。あっという間に夜。特に何もせず。「かりそめ天国」ではマツコが唾液に含まれるアミラーゼのせいで大好きなあんかけ料理のあんがシャバシャバになってしまうという話をして演者やスタッフから怖がられていた。人体って面白いなぁと思いながら見ていたのだが、ふと思い当たることがあり、よくよく考えてみると私もマツコ側の人間な気がする。あんかけ料理を食べる頻度が少ないし、大皿をひとりで食べる機会もなかったので意識していなかっただけで、あんかけうどん(いわゆる京都の「たぬき」)を食べていると、最後の方はとろみがなくなっていたような記憶がある。唾液アミラーゼはストレスを感じている人の方が増えるらしい。ははーん……?

 

 11/20(土):服装の調整が難しい日が続く。適当に起きて、劇団四季の劇場でバックステージツアーをしながらクイズに挑戦する東大王を見る。昨日はさっそく「耳ほぐタイム」を装着してベッドに入ったのだが、それなりに安眠出来たような気がする。目が覚めたときには耳栓を握りしめていたので、無意識のうちに外した可能性が高いけれど。どれくらいに時間が経つと冷たくなったかの記憶もない。効果のあるうちに寝たのだろう。また使いたい。「耳ほぐタイム」と「ホットアイマスク」、「うるおいマスク」を同時に使ったらどうなるのだろう。失神するのかもしれない。午前中からバタバタと身支度をして外出。電車に乗って大阪へ。アウトレットで買ったセットアップをおろした。自分の好きな服を着ると、自分のテンションが上がります。世界がこういう状況になってしまったので、本気の装いで出かける機会がうんと減ってしまった。悲しい。それなりに混雑した電車に揺られ、だいたい一時間で到着する。駅で先輩と待ち合わせ。今回は特に問題なく合流することが出来た。「ええ服を着て会いましょう」という約束だったので、ええ服のふたりでご飯を食べ、喫茶店でコーヒーを飲む。めちゃくちゃ楽しい。こういうことが出来る、喜び。夕方くらいに別の友人も合流して、そこからはパーティだった。比喩です。喉が壊れるくらいに会話をする。終電が大幅に繰り上げられてしまったので、ここ最近は大阪に来るといつもバタバタしてしまう。今日もギリギリだった。ちゃんと帰宅して、ちゃんとお風呂に入り、ちゃんとスキンケアその他を済ませてベッドへ。進捗の面ではゼロだけれど、楽しかったのでいい。セットアップを含めた今日の服装を全員から褒められたので、最高の気分。

f:id:Maholo2611:20211121224012j:plain

ケーキ

 11/21(日):ほとんど夢を見ることもなく、そして「寝た」という感覚もないまま目覚めた。アラームでめちゃくちゃビックリするタイプの起床。アルコールが残っている感覚はない。ただ喉が死につつある。学部時代の友人と会うと、絶対にこうなる。それもまた一興。今週の「シューイチ」はロバート・秋山とアルコ&ピース・平子によるユニット・体格ブラザーズの銭湯ロケで、たまにある攻めたバラエティ回だった。良い朝。それを流し見しながら身支度をして、今日も午前中から外出。一路京都へ。高速道路も一般道も渋滞していて、普段の二倍近い時間をかけて到着。秋の京都……。人々の活動が戻りつつある。うんざりしないと言えばウソになるけれど、嬉しい気持ちも強い。この人出に海外からの観光客がプラスされていたのだから、全盛期の混雑具合はもっとすごかったのだろう。今となっては思い出せないが……。とりあえずお昼ご飯を食べて、四条周辺でぶらぶらと買い物をする。京都の中心部でがっつりと買い物をするのは久々で、なくなっているお店も多かった。百貨店のテナントですら様変わりしているのだから、路面店はもっとだろう。なくなったもののことを忘れないでいたい。びっくりするほどかわいいフーディがあったのだが、値段がかわいくなかったので買わなかった。いや買えなかった。思っていたより5000円くらい高かった。くぅ~。あっという間に夕方。二条寺町の一保堂でお茶を飲んでから帰宅。喫茶スペースで出てくる魔法瓶のデザインがかなり良いのだが、どうやら販売はしていないらしい。売っていないものは買えない。帰路もかなり渋滞していた。帰るころにはクタクタになってしまったので、今日も早めに寝たい。遊びばかりの週末だったので、明日からはまた気合を入れ直して取り組んでいきます。

f:id:Maholo2611:20211121224652j:plain

綺麗に撮れた一保堂

 

感想:『仙名彩世サロンコンサート』

 さる11月3日、新型感染症の流行を受けて延期されていた「仙名彩世 サロンコンサート」が宝塚ホテルで開催された。本来は8月の開催だったこのコンサートが、およそ3ヶ月経って無事に開催されたことがまず嬉しく、同時にさまざまな苦労を重ねていただいた出演者、関係者の方への感謝でいっぱいである。2019年に宝塚歌劇団を退団されてから、舞台を中心に精力的な活動を続けている仙名彩世さんだが、個人としては2020年に上演された『シャボン玉とんだ 宇宙までとんだ』以来となる「生仙名彩世」だった。『ミス・サイゴン』は東京と大阪両方のチケットを確保していたのだが……。好転しつつある事態がこのまま多くの人を救う方向に進んでくれることを願ってやまない。

 話をコンサートの感想に戻すと、「光在る……」の一言に尽きる。花組トップ娘役として活躍し、今現在「トップ娘役」に対するひとつの大きな流れを作った彼女の現在地とこれからの行く先を示すかのようなプログラムだった。詳細な曲目は伏せるが、ジブリシリーズの主題歌などのポップスや出演作からのナンバー、有名ミュージカルやディズニー作品の名曲などの多彩なジャンルを歌いこなす姿はまさしく「仙名彩世」というひとりの舞台人であり、素晴らしいパフォーマンスだった。

 ディナーショー(私はランチショー)だったため、ショーが始まる前には食事の時間があったが、そのメニューには彼女の出身地である宮城県の食材が多く使われていて、在団中から彼女が大事にしていた「自分が宮城県出身であることへの思い」が感じられた。自らのルーツと経験とを決してないがしろにしない仙名彩世という人間の姿勢に頭が下がる。食事、ショーともに素晴らしく、非常に有意義な時間だった。またこのような機会があれば、それほど嬉しいことはない。

 蛇足にはなりますが、会場に展示されていたミニチュアフードの数々は「ガチ」のクオリティでした。そしてノンアルコールのオリジナルカクテルは宮城県の名物である「ずんだシロップ」をベースにしたもので……2021年口にしたものの中でもっともインパクトのある飲み物でした。「飲む枝豆」とでも言うべきあのカクテル。私のテーブル周辺に座っていた人はみんな飲んだ瞬間に笑っていたような気がします。

 

感想:月組公演『川霧の橋』

 月組新トップコンビ月城かなと・海乃美月のお披露目公演『川霧の橋/Dream Chaser』が博多の地で幕を開けた。山本周五郎氏による『柳橋物語』『ひとでなし』の二作品をもとに柴田侑宏氏が創り上げた『川霧の橋』は、1990年に同じく月組剣幸こだま愛の退団公演として上演され、それ以来日本物の名作としてファンのみならずタカラジェンヌの間でも語り継がれてきた作品である。そんな傑作初めての再演は、新トップコンビにとって大きな挑戦だっただろう。しかし、月城と海乃をはじめとした月組の面々は見事なパフォーマンスを示し、観る者の期待に応えてみせた。

 江戸を舞台に、隅田川の両国に近い茅町には「杉田屋」という大きな大工の棟梁の家があった。そこで働く幸次郎(月城かなと)・半次(鳳月杏)・清吉(暁千星)の三人は腕の立つ職人であり、棟梁夫妻には子供がいなかったため、この中から次期棟梁が選ばれることになる。白羽の矢が立ったのは、照れ性で口も悪いが心は優しく、職人気質で周囲からの信頼も厚い幸次郎だった。後見に着くこととなった兄弟弟子の半次は分を弁えるが、清吉は納得できずに上方へ出る決意を固める。江戸を出る前日、清吉は杉田屋の面々も世話になっている研ぎ職人源六(光月るう)の孫娘お光(海乃美月)を呼び出し、大金を稼いで帰ってくるまで待っていて欲しいと突然の夫婦約束を持ちかける。清吉の強い思いに打たれ、お光は思わず承知してしまうが、これは幸次郎が以前からお光を想っていたことを察した清吉が先手を打っただけだった──。やがて幸次郎とお光との間には正式な縁談が持ち上がるが、源六はある理由からその話を断ってしまう。幸次郎は落胆する一方、お光は清吉の帰りを待つ。そんなある日のこと、江戸の下町の大半を焼き尽くす火事が起こり、それぞれの人生が動き出す。

   

 小柳奈穂子氏による演出面から始めると、まず舞台装置の使い方がとても良かった。プロローグで使用されていた、大火を表現する幕は美しさと恐怖とを上手く表現していたし、中盤で幸次郎がお光を助ける中で川に流されていく場面はとても印象に残っている。そしてタイトルにもある「橋」のセットも見事だった。それまでずっと半分ほどしたその姿を見せていなかった橋が、最後の最後でようやく全体を見せ、初めてお光が橋を渡っていく場面は装置の使い方も演出も素晴らしかったように思う。暗転を挟んでぶつ切りになる場面が少なかったことも印象的。舞台上には常に誰かがいて、誰かが話している。江戸の下町を生きる人たちの「生活」をつづるこの物語を舞台上に描くにあたって、たとえ誰かの命が失われようが、火事で町が燃えようが生活は続くのだということを示しているようで、世界観が上手く表現されていた。

 個々の出演者に話題を移すと、光っていたのは海乃美月の好演である。おそらくこの作品の中でもっとも変化していくお光というキャラクターを的確に演じていた。火事の前後はもちろん、幸次郎と清吉との間で揺れ動く心情の表現は素晴らしく、培ってきたものを存分に発揮していた。一方、幸次郎を演じた月城かなとは「和物の雪組」出身らしく、所作や立ち居振る舞いから違いを見せていた。前作の『桜嵐記』でもそうだったが、彼のもつ清廉な雰囲気はどのような人物を演じても失われることがなく、しっかりと「タカラヅカ」を成立させる。あのラストシーンは語り草となるだろう。そして、おそらく最も火事と周囲の人間に振り回された人間である半次を演じた鳳月杏、対して最も周囲の人間を振り回した人間である清吉を演じた暁千星のパフォーマンスも素晴らしかった。源六役の光月るうが見せた、決して発話やセリフ回しだけに頼らない演技も見事。人間というものは決して善意や優しさだけを抱いて生きているのではないことをありありと見せつけるこの作品をしっかりと作り上げた月組のこれからに、大きな期待を寄せたい。

花組二番手不在問題について

 花組トップスター・柚香光の本公演三作目となる『元禄バロックロック/The Fascination!』が11月6日に開幕した。花組月組の誕生100周年を祝うこの作品が柚香光・星風まどかという新トップコンビのお披露目作品でもあることは非常に喜ばしいことだが、初日の舞台を現地で観劇した人、そして初日の映像を見た人の中には驚きと戸惑いを感じた人がいただろう──かく言う私もその一人である。

 単刀直入に言ってしまえば、その驚きと戸惑いの理由はひとつしかない。水美舞斗が二番手羽根を背負っていなかったのだ。スターとして長く組を支えた瀬戸かずやが前回の大劇場公演『アウグストゥス/Cool Beast!!』を持って退団し、柚香の下で二番手羽根を背負うことになるのは同じく95期生の、今や組の中心として活躍する水美だとばかり思っていたが……フィナーレのパレードで二番手の羽根を背負って大階段を降りてきたのは、彼ではなかった。いやむしろ、その羽根を背負っている者はいなかった。水美の背中に揺れていたのはいわゆる三番手羽根と呼ばれる大きさの羽根であり──それは97期男役の筆頭として活躍し、2019年に雪組から組替えしてきた永久輝せあが背負っているものと同じ大きさだったのである。

 「水美舞斗が花組二番手ではない」という事実は、すなわち宝塚歌劇団が彼を二番手とは認めていないということなのだろう。なぜなのか。同じ95期生の花組生え抜き男役として活躍してきた柚香の影に隠れてはいたが、水美が見せる近年の活躍には目覚ましいものがある。2018年のバウ初主演はもちろん、東上初主演となった今年の『銀ちゃんの恋』では主演として、またカンパニーの中心として素晴らしいパフォーマンスを見せていた。その活躍は舞台に留まらず、スカイステージや機関誌などのメディア、カレンダーなどのグッズでは彼が二番手の位置に立っていたのだから、ファンとしては次の二番手は水美舞斗だと推測するのは当たり前であり、その部分に矛盾を感じて「裏切られた感」を抱いてしまうのも仕方ないことだろう。

 そもそも「二番手羽根」とは一体なんなのか。それは文字通り組内の二番手スターがパレードの場面で階段を降りる際に背負っている、トップスターのものよりも一回り小さい大羽根のことを指す。そしてここからは個人的な考えになるが──二番手羽根とはトップスター・トップ娘役に次ぐ「組の顔の証」であると同時に「将来のトップスターの印」である。正式に…厳密に言えば、近年の本公演で二番手羽根を背負いながらトップスターにならなかった男役は少ない。2003年に入団した美弥るりかは紆余曲折を経て2016年から月組の二番手に就任しトップスターの珠城りょうを支えたものの、二番手のまま2019年に退団。当時は「彩吹真央以来異例の二番手退団」と話題になった。しかし美弥の退団以降、その状況に変化が起こる。コロナ禍の影響もあったのかもしれないが、その二番手退団が続いているのだ。先述した瀬戸かずやは退団公演で初めての二番手羽根だったため例外の部分もあるが、今年の末には星組の二番手スターを務める愛月ひかるが退団する。愛月のタカラヅカ人生もまた波乱含みであり、さまざまなタイミングの波に揉まれた組子のひとり。瀬戸にしろ愛月にしろ、劇団としてはご祝儀的な意味合いで二番手羽根を背負わせたとも考えられる。しかしそうなると、一体全体劇団は「二番手羽根」をどうしたいのかという問題が浮き上がってくる。トップスターやトップ娘役とは違い「二番手就任」が劇団から発表されることがない以上、ファンの立場から出来ることは何もないのだが、だからこそ二番手羽根の扱いには一貫性を持たせて欲しいというのが個人的な思いである。

   

 話題を現在の花組に戻し、水美舞斗がこのタイミングで二番手ではないことの理由をどうにか推測していきたい。まず思いつくのは、どこかのタイミングで水美が組替えをするというもの。花組でトップスターになることはない=別の組でトップスターになる可能性があると考えられるが、問題は「どこの組に行くのか」である。月城かなと率いる月組には鳳月杏、暁千星、風間柚乃雪組には朝美絢、和希そら(12月に組替え)、綾凰華、縣千。星組には瀬央ゆりあ、天華えま、極美慎。宙組には芹香斗亜、桜木みなと、紫藤りゅう、瑠風輝。愛月の退団する星組は二番手が空き、真風涼帆の去就によっては宙組も二番手が空くものの、正直なところ「ある理由」から組替えは考えにくいのではないだろうか。「ある理由」については後述する。

 二つ目に思い当たるのは、水美の退団が近いのではないかという、ある意味での邪推である。そうなると次回本公演でのサヨナラ二番手羽根か、そうでなければ次回は一本物で番手を誤魔化しつつ、次々回の二本立てでサヨナラか。ただこういう類の邪推はあまり褒められたものではないので、喫茶店の隅で周りを気にしながら話すくらいにしておいた方がいいかもしれない。

 次は、次回の公演からは永久輝せあが二番手の羽根を背負い、柚香の長期政権の下で水美は瀬戸かずやのように組を支える立場を担うというもの。劇団全体の流れを見るとこれが最も現実的ではないかと思う。スポンサーの関係で永久輝がいつかはスターになることはほとんど確定事項であり、その結果水美はいわゆる路線から外れることになるが、タカラヅカとはそういう世界でもある。

 最後は、これが最も大胆な推測になるが、芹香斗亜が宙組から花組に戻り、トップスターに就任するという説。トップスター芹香、二番手水美。しかしこれは柚香光の早期退団が前提になっており、かつ宙組トップスターの後任が不在となるため可能性は限りなく低い。真風涼帆があと数年トップスターを務めればなくはないが、なんとなく彼の退団は近いような気がしている。あくまで、個人的に。

 以上が、「花組に二番手がいない理由」として私が思い当たることのすべてである。全体のまとめとして、上述した「水美舞斗の組替えは考えにくい理由」について話そう。宝塚歌劇団には暗黙のルールがいくつか存在する。すみれコードと呼ばれるものもそうだが、ここで私が触れたいのは「トップスターと二番手に同期の生徒が就任することはない」というものである。これは決して明確なルールではないし、あくまでファンの間で広まっているに過ぎないのだが、もし劇団側がこの規則を厳格に運用しているのなら、95期生の花組トップスター・柚香光の二番手に同じく95期生の水美が就くことはない。同期の両雄並び立たず。水美の組替えが考えにくいのは、退団者の関係で二番手の席が空くこととなる星組宙組にはすでに95期のトップスターあるいはスターがいるからだ。星組には礼真琴と瀬央ゆりあ、宙組には桜木みなと。「トップスターと二番手は同期になってはならない」のなら、瀬央ゆりあを応援している人たちの心中もまた穏やかではないだろう。すくなくとも礼真琴がトップスターである限り瀬央ゆりあが星組で二番手羽根を背負うことはないのだから。もちろんルールには例外もある。近年で言えば、2011年から2012年の花組ではトップスターを蘭寿とむが、二番手を同期の壮一帆が務めた。そして壮は2013年に雪組へ組替えし、トップスターに就任している。星組宙組、そして花組に関しては人事の面で大きな動乱が起こる可能性を秘めている。95期生という人材の宝庫を私は評価しているし、それに見合う実力を有しているとも思うが、現状を見ていると劇団が95期生を押し上げてきたことのひずみがここにきて大きくなってしまったのではないかと思う。男役娘役関係なく、梯子を外すようなことはやめて欲しいというのがファンとしての心情である。

 

週間日記(2021/11/08~11/14)

 11/8(月):寒い。寒いし、天気が荒れている。昼過ぎから風が強くなって、窓が揺れていた。外からはいろいろなものが倒れる音が聞こえてきた。自転車、あんなに倒れやすくていいのだろうか。ぼんやりと起きて、朝ご飯を食べながら「ラヴィット」を見る。相席スタートがVTRの方に出演していた。フラフープを模したフィットネスグッズを試していた山添を襲う、江戸時代の笑い。知覚過敏に苦しむ丸山桂里奈さんを見つつ、ボールペン字の練習をする。ようやく再開できた。練習帳のページをコピーしながら進めているのだが、プリンターのインクが切れてしまったのでまた中断することになりそう。「ラヴィット」を見届け、家のことに取り掛かる。「バナナムーン」を聞きながら。昨日からリビングにコタツが出ているので、掃除機をかけるときの手順が増えた。布団部分を台の上にあげ、落ちないように座布団でおさえ……。冬を感じる。「バナナムーン」は冒頭から深夜ラジオらしい汚い話が続いたが、竿は握った方がいいと思う。ときどきある「なんでここがこんなに汚れるんだよ」みたいな男性用トイレの謎が解けた気がする。その後はすこし外出して、ジャンプを買ってすぐに帰宅した。風が強かった。今週の『呪術廻戦』はいつにも増して『ハンターハンター』っぽさがあったけれど、こういう感想の出し方はあまり褒められたものではないなと思う。正午くらいに30分くらいの仮眠を挟んで、午後は英語をやったり作業をして過ごした。英語を進めるのも久しぶりになったが、ちょうど章の切れ目で中断していたのでそこまで大きな影響は出なかった。夜は特に何もせず。早めに寝たい。

 

 11/9(火):日付が変わるころに降り出した雨は夜が明けても降り続いている。気温も昨日より下がっているような気がする。目が覚めて最初にやるのは、カーテンを開けること。遮光レベル5(最大値)のカーテンに替えてからというもの極夜が続いているので、とりあえず日光を浴びる必要がある。すこしだけ窓も開ける。酸素濃度の低下は自宅作業最大の敵。あとこういうご時勢なので。換気は大切です。そろそろ厳しい季節がやってきますが……。ぼんやりと起きて、今日も「ラヴィット」を見ながら朝ご飯を食べる。カップスープランキングでは「スープ」というその一点だけでクマムシがVTR出演を果たしていた。かつて一世を風靡した「あったかいんだからぁ」。ご存命だったんですねという気持ち。中華三昧のトマト酸辣湯が美味しいらしいです。午前中から外出。微妙な雨の中、車に乗って竜王のアウトレットへ。「もう服は買わない」という決意を「とにかく服が欲しい」という気持ちが上回ったので、北風吹きすさぶ中アウトレット中をうろうろと歩きまわった。途中で昼食休憩をはさみつつ。事前に当たりを付けていたお店ではピンと来るものがなく、厳密に言えばデザインが良くても自分に合うサイズがなく、最終的には普段ほとんど行かないお店で出会ったセットアップを買った。予算を完全にオーバーしていたが、買い物とはそういうものです。性懲りもなくまたセットアップを……。しかしこれは秋冬用なので。そうなので。商品の入れ替え時期で棚に空きの目立つカルディをぶらついたあと、最後に飲み物をテイクアウトして帰路についた。今日はタリーズアイリッシュラテが美味しい。帰宅して万歩計を見たら、1万歩を越えていた。ウォーキングのひむ太郎より歩いている。夜は特に何もせず。「バナナサンド」は流し見程度。姉が甥を連れて帰ってきたので、お風呂上がりの幼児に保湿クリームを塗りたくったりした。早めに寝たい。

 

 11/10(水):寒い。今日も風が強い。西高東低、冬型の気圧配置。筋状の雲。詳しくは知らない。朝の冷え込みが激しかったということだけはたしかだ。ぼんやりと起きて、ぼんやりと朝ご飯を食べる。「ラヴィット」を見ながら。膝の上には甥っ子。2時間くらい動かなかったので、こっちも動くことが出来なかった。生活という感じ。今日のランキングはコンビニ、スーパーで買うことの出来る蒸しパンランキング。だんだんニッチになってきた。上位に「木村屋総本店」の蒸しパンシリーズが何個かランクインしていて、今まで全く見たことのない商品だったので意外だった。関西ではあまり売られていないとかそういうことなのだろうか。機会があれば棚をしっかり見てみよう。今日は全体的に何もせず。する暇がない。夜はBSで放送されている『シャーロック・ホームズの冒険』を見た。ホームズの帰還。ワトスン役の俳優が前シリーズから交代していた。こういうときってみんな気まずかったりしないのだろうか。続投した人たちとの間とか、前任者との間とか。早めに寝たい。

   

 11/11(木):ポッキーの日。季節がまた深まったような天気だった。吹く風が冷たい。ぼんやりと起きる。今日の「ラヴィット」は丸山桂里奈さんによる激知覚過敏食レポがたくさん見られたので良かった。冒頭の30分くらいは見逃してしまったので、ありがたくTVerで見返そうと思う。聞くところによるとギャル曽根vsニューヨーク・嶋佐の対決に終止符が打たれたとか打たれていないとか。嶋佐がびっくりするような値段の家具の支払いをペイペイで済ませているところを見届けて、外出。車に乗って湖岸道路をひた走り、草津イオンモールへ向かう。この季節は車内の温度管理が難しい。窓を開ければ寒い。エアコンは効きが悪い。日差しは強い。イオンモールは平日の昼間らしい人出。ゆっくりと買い物を楽しむことが出来るくらいの人出。これが欲しい!という具体的なものはなかったので、ぶらぶらと適当に見て回った。まずは書店で良い雑誌がないか漁り、無印とGUも冷やかす。なにも買わない。お昼ご飯はフードコートの丸亀製麺でうどんを食べた。うどんと天ぷらはめちゃくちゃ体重に響いてくるからサイドをつけるにしてもおにぎりかおいなりさん……と心に決めてあのレーンに入るのだが、だいたい気がついたら小さいお皿にイカ天とちくわ天が載っている。見た目は9割一緒。慣れていない店員さんだと一瞬間が生まれる。ちくわと…?ちくわと……ちくわ?みたいな表情になる。結局、薬局でワセリンを買って帰路についた。イオンモールへのお出かけでテンションの上がった甥っ子が昼寝をしなかったので、夕食の時間まで戯れていた。元気だぁ…。夜は特に何もせず。早く寝たい。

 

 11/12(金):寒い。冷えが込んでいる。ぼんやりと起きて、「ラヴィット」を見ながら朝ご飯を食べる。ゲストの佐久間由衣さんが成人男性一日分くらいのカロリーを二時間の生放送中に摂取していて、ちょっと面白かった。すき家の明太高菜牛丼をゴマ油と玉子で炒めたアレンジチャーハンが紹介されていたのだが、一度も食べたことがないのに味の想像が完璧に出来た。もはや食べるまでもないという境地。帰宅していく姉と甥っ子を見送り、いそいそと身支度をする。今日は採点のアルバイトをしていたころの知り合いと京都で待ち合わせ。久しぶりに乗った市営地下鉄東西線は相も変わらず車内に爆音を響かせながら走っていて安心した。日本で一番高いこの地下鉄の行く末、いやひいては京都という街の行く末が危ぶまれる状態であるという報道を目にする機会が増えた。一体どうなるのか心配だが、出町柳駅から地上に上がるとデルタがいつものように迎えてくれたので大丈夫だろう。「自然の広場」が存在することは、京都の大きな特徴である。全然関係ないので、市政がどうなるかは知りません。友人と合流し、豆餅で有名なふたばのえげつない行列を横目に見つつ、出街座に入る。カウンターの並ぶ喫茶スペースでホットドッグとコーヒーを楽しみながらいろいろなことを話した。なんだかんだで来年からは二人とも東京に行くらしい。向こうで心細くなることはなさそうだ。その後は御所を歩き回り、夕方に解散した。日没がどんどんと早くなっていて、2時を過ぎるともう夕方のような雰囲気が広がるようになった。なんとなく寂しいけれど、空気の冷たさが嬉しい。帰宅して、そのままの勢いで家のことに取り掛かる。座ってしまったら負けなので、とにかく勢いを大事にして掃除機をかける。「ハライチのターン」を聞きながら。夜は特に何もせず。基本的に夜は何もしたくない。

 

 11/13(土):今日も寒い。午前中はぼんやりと過ごす。最近はなぜだか関西ローカルの情報バラエティを見る気にならず、クイズ王の伊沢くんがスシローでなんやかんやする番組を見届けたあとはCSのスカイステージにチャンネルを替えて、星風まどかさんのコンサートを見た。宙組のトップ娘役から花組のトップ娘役に就任するという、プレッシャーのかかる立場ではあるが、その重責にふさわしい貫禄が出てきている。彼女なら、タイミングの問題でここ数年は娘役の退団が重なっている花組の雰囲気を変えることが出来るだろう。お昼過ぎからは外出。車に乗って、奈良に向かう。小さな旅。名神高速道路から京滋バイパス第二京阪道路、京奈和道を経由して、予約していたホテルに到着。だいたい1時間とすこし。チェックインを済ませて部屋に荷物を置き、周辺の散策に向かう。東向商店街や奈良町をぶらぶらと歩く。週末の行楽日和ということもあって、それなりの人出。コロナ以前に戻ったような感覚になるが、あのころはもっと人がいたのだろう。まだまだ先は長い。ぽつぽつと商店街に穴を開けているテナント募集の看板に寂しさを覚えながら、誰もが希望を持てればいいのになと思った。年末年始のテレビでよく見かける「高速餅つき」が有名なお店でよもぎ餅を食べたり、猿沢池で叫んでいる大学生を遠巻きに眺めたりして、ホテルに戻る。内輪ノリで楽しんでいる人たち、どうしてその外部にも突っこんでいくのだろう。夜は美味しい食事をして、早めに眠ったので、特に書くことがない。

f:id:Maholo2611:20211114221329j:plain

左から鹿、鹿、鹿、鹿、鹿、鹿

 11/14(日):朝食は8時半にお願いしていたので、だいたいいつも通りの時間に起きた。いつものようにシャワーをして、軽く身支度をする。上から下まで昨日と同じ服装だが、一泊二日の小旅行なので許して欲しい。悩んだ末、洋食のセットを頼んだ。ホテルの朝ご飯ではグレープフルーツジュースを飲みたくなるのだが、いつも酸っぱさに震えることになる。耳の下あたりがキュッとなる、あの感覚。お腹がいっぱいになったので、腹ごなしに周辺を散歩する。すこし足を伸ばして、東大寺へ向かった。確か小学生のころに遠足で来た以来なので、およそ15年ぶりになる。月並みな感想だが、大きかった。帰り道で鹿せんべいを買い、鹿と戯れる。襲われないようにするコツは、なるべく鹿のいないタイミングでせんべいを買ってすぐ懐に隠し、柵で囲われた場所の内側にいる鹿に狙いをつけ、その外側から落ち着いてせんべいをやること。このやり方でもいつの間にか背後に鹿がいたりするのだが、基本的には一対一でせんべいを食べさせるのがいい。複数の鹿に囲まれたらもう、終わり。服をベロベロと舐められたりする。ホテルに戻ってチェックインを済ませ、柿の葉寿司で有名な「平宗」でお昼ご飯を食べた。観光地のあるべき姿が戻りつつあって嬉しい。その後は車に乗り込み、来た道を戻って早めに帰宅した。夜は「せっかくグルメ」を見ながら、ぼんやりと過ごす。いい週末だった。早めに寝て、明日から切り替えて頑張りたい。

f:id:Maholo2611:20211114221351j:plain

東大寺

 

週間日記(2021/11/01~11/07)

 11/1(月):ちょうどいい天気。陽向ではすこし汗ばむくらいの気温。ぼんやりと起きて、ぼんやりと朝食を食べる。11月の始まり。2021年は残り2か月、あっという間に2022年を迎えることになるだろう。2022年という西暦のしっくりこなさというか、違和感はものすごいが。私のような人間からすると2020年、2021年は空白のようなもので、なかったことになっていると言っても過言ではない。しかし何十年かのち、人生について振り返ることがあれば、ある意味で最も記憶に残っている期間だと述べることにはなるのだろうけれど。院試も通ったし。「ラヴィット」を見つつ、ボールペン字の練習をする。土日は博多にいたので手をつけられなかった。土日やるはずだった分も含めてページを進めていく。ひらがな、書くのが難しい。いや漢字もカタカナも難しい。たまたま日本に生まれてたまたま日本に育ったから読み書きが出来ているだけなので、語学って本当に特別な訓練が必要なのだなと思い知らされる。「ラヴィット」を見た後は、家のことに取り掛かった。「バナナムーン」を聞きながら掃除機をかけ、クローゼットを整理したり、洗濯物をしたり。車に乗って六本木の交差点で信号待ちをしていたらハロウィンの仮装をした若者に絡まれるなんて体験をする日村さんの力に笑ってしまう。笑い事じゃないけれど。お昼前にはジャンプを買うため外に出た。気持ちのいい天気。あまりに眠いのですこし仮眠を挟み、午後は英語の勉強をする。そろそろ文学史の勉強も再会しなければならないのだが、いかんせんスイッチが入らない。やることが多すぎる。もうちょっとどうにかならないだろうか。ならないな。人生とはどうにもならないものです。「やりたいこと」と「向いていること」、「やらなければならないこと」のギャップに一生をかけて向き合う、「好き」という感情の暴力性に一生をかけて向き合っていく必要がある。夜は特に何もせず。早く寝ようか、どうしようか。芸術の秋、食欲の秋、物思いの一生。

 

 11/2(火):朝と夜の寒暖差が激しい。昨日はボールペン字の練習をしてから寝た。ひらがなの難しさ。「ね」「れ」「わ」は一生綺麗に書ける気がしない。ぼんやりと起きて、ぼんやりと「ラヴィット」を見る。相席スタート・山添の悪役っぽいというか、ヴィランっぽい感じはなんなのだろう。今回もダメそうだった。めちゃくちゃ面白かったけれど。朝から姉が甥を連れて帰省してきたので、全体的に何もしない日になった。ボールペン字の練習も英語もやっていない。自分の子供がいるというのは、そういうことなのだろう。昼前にすこし外出して、車にガソリンを入れた。高い。どんどん高くなっている。「ガソリン車に乗る」ことが特権になる未来がすぐそこまで迫っている。特権というか、そのうち乗れなくなる。ガソリン車がなくなるのが先か、死ぬのが先か。帰り道でスターバックスに寄って、クリスマスシーズンの限定ドリンクを持ち帰った。アポロを溶かしたような味がした。自分の体調によって評価が変わるタイプの味。ほうじ茶クラシックラテが終了していたのが悲しい。午後は何もしない。本当に。幼子と戯れていたら日が沈んでいた。日没が早い。夜は「バナナサンド」から「マツコの知らない世界」へのリレー。今もっとも罰ゲームがしっかりしているバラエティこと「バナナサンド」。いろいろあるとは思うけれど、工夫を凝らして頑張って欲しい。「マツコ」は焼きそばの世界。家で食べる焼きそばもいいけれど、お店で食べる焼きそばも美味しい。疲労感があるので早めに寝たい。

 

 11/3(水):文化の日。文化的なことをしましょう。そのためにはまず文化とはなにかというところから……やりません。こういう話は健康に良くない。本当に。学部の4年間で身をもって知りました。学問は体に良くない。早めに起きて、今日も「ラヴィット」を見ながら朝ご飯を食べる。バタバタと身支度をして、車に乗って外出。高速道路を西へ。あまりに長すぎる、サグラダファミリアもかくやという長さの中国道リニューアル工事を迂回して、宝塚へ。しかし今日の目的地は宝塚大劇場ではない。今日は水曜日で宝塚の街全体が眠っているし、なにより今は公演と公演との間の期間に入っている。目的地は宝塚ホテル。新型感染症の影響を受けて延期されていた仙名彩世さんのサロンコンサートがついに開催されるのである。チケットが取れたときのウキウキと延期が発表されたときの落差ったらなかったが、こうして開催にこぎつけていただいて本当に嬉しい。ショーの前に食事があるランチショーだったので、まずは宝塚ホテルの2階にある会場で食事が始まる。こういう形式の催しは初めてですこし緊張していたけれど、食事の時間は思っていたよりもカジュアルな雰囲気だったので大丈夫だった。魚用のスプーン、いわゆるフィッシュスプーンの使い方は一生分からないけれど。分からないというか、本当にこれで正解なのか?みたいな気持ちがなくなることはないと思う。基本的には左手にフォーク持ってそっちで食べるのに魚だと急に右手に持ったスプーンで食べるんですか?みたいな気持ち。こんな話をしたいんじゃないんです。仙名彩世さんが本当に素晴らしかったという話をしたいんです。もう個別にエントリーを書きます。素晴らしいショーが終わった後は駅の阪急に移動して買い物をし、ソリオでタピオカミルクティーを買って帰路に就いた。宝塚周辺を満喫した形。あと何回来れるのだろう。高速道路はぼちぼちの混み具合。日が沈みすこし経ったくらいのころに帰宅。夜は特に何もしていない。「シャーロック・ホームズの冒険」は録画した。疲労感があるので、早めに寝たい。

f:id:Maholo2611:20211106212449j:plain

宝塚ホテルの宝塚歌劇コーナー

   

 11/4(木):本当に何もしていない。何かをする暇もないというのが正しい。世界中の親御さんに尊敬の念を抱いています。ぼんやりと起きて、「ラヴィット」を見る。包装が開始されてからずっと面白い「ラヴィット」だが、その中でも屈指の名場面があった。言ってしまえば「タイムラプス動画に映りこんだおじいさんが延々お風呂に入っている」というただそれだけなのだが、VTRの造りとスタジオの反応が相まってめちゃくちゃ面白かった。そこからはもう一日何もしていない。甥っ子と遊び、甥っ子が寝ているうちにこっちもうたた寝をして、甥っ子が起きれば起きる。そういう流れ。書くこともない。「ドクターX」に元宙組トップスターの凰稀かなめさんがゲスト俳優として出演されていたのだが、それは録画しておいた。何も書くことがないときにはどうすればいいのか。NBAの話をしましょう。興味がない方は明日の日記に進んでください。ブルズが強い。というか、順位表を見ると意外な結果が並んでいる。ブルズとヒートは開幕前の予想を覆す強さを見せているし、一方でチャンピオンチームのバックスと、カンファレンスファイナルでそのバックスと戦ったホークスはプレーオフ圏外に沈んでいる。ウェスタンに話を移すと、グリズリーズが台風の目といった雰囲気を出しているくらいでだいたいは予想通りだ。レイカーズのスロースタートは目に見えていたので、個人的には言及するほどではない。公式ボールが今シーズンから変更された影響なのか、スタッツを大きく落としている選手も目立つ。リラードはその筆頭だろう。ブレイザーズも下位に沈んでいる。ただ特に大きな補強もなかったので、プレーイントーナメントを争うことになったら上々なのかなという感じ。NBAの話、以上!

 

 11/5(金):今日も特に書くことはない。起きて、「ラヴィット」を見る。姉と甥っ子は夕方に帰っていったので、それからは家のことをやったり、活動を始めた。まずはすこし外出して、博多旅行で着ていたセットアップをクリーニングに出す。帰宅して、次は「ハライチのターン」を聞きながら掃除機をかけた。パーフェクトアイドルオタク、サンシャイン池崎。本編はもちろんのこと、今週はラジオクラウドがめちゃくちゃ面白かった。岩井さんがコミックナタリーに取材を受けたときの写真がどう見てもラーメン屋の店主で、母親からも「ラーメン屋みたいじゃん」と言われたという話から始まり「ラーメン屋あるある」「社長あるある」へと展開、もうちょっとしたハライチの漫才だった。最高。その後はまた着替えて、近所の病院へ。一週間ほど前から、咳喘息の症状が出始めた。朝晩の気温差が体に応えている。今は起き抜けに咳が出るくらいだが、病気はひどくなる前に対処する方が良い。半年ぶりに、吸入薬と再会した。これからは長い付き合いになるだろう。夜は「かりそめ天国」のスペシャルを見る。加賀まりこさんは最近テレビでちらほらと見かけるなぁと思っていたけれど、ドランクドラゴン塚地武雅と共演した映画がもうすぐ公開されるらしい。映画とかドラマのいわゆる番宣、本当に大変なんだろうなと思われる。ここ最近だと、天海祐希をテレビで見ない日はない。「靴が多い人は理解できない」という話題でMC陣が盛り上がっていたけれど、あまり共感は出来なかった。服も靴も欲しいだけ欲しい。体調も良くないので、早めに寝たい。

 

 11/6(土):ぼんやりと起きて、ぼんやりと朝ご飯を食べる。朝の寒さがまた一段上がったような気がする。紅葉の色づきが進むことだろう。午前中は何をするでもなく過ごしたが、早い時間から外出した。もうすこし秋冬用の服が欲しいなぁという気分だったので、車に乗って草津にあるユニクロとGUへ向かった。今日は良い日なのか、道中の神社やその周辺には七五三らしき家族連れや結婚式らしき人達が集まっていた。平和な光景だった。こういうやつが欲しいなぁというぼんやりした狙いがあり、それっぽい服もあったのだが、いかんせん決め手に欠ける。サイズがなかったり、セットになっているパンツがなかったり。これはもう竜王のアウトレットに行くしかないのかもしれない。それかゾゾタウン。結局何も買わずにお店を出て、無印良品に移動した。レトルトのご飯シリーズにジャスミンライスが追加されていたので思わず買ってしまった。ジャスミンライスじゃないと美味しくない料理は確かに存在する……。あとはメロンソーダやら、インスタントのスープやら。無印で食べ物ばかりを買う人になった。それからはまた車で移動。駅を挟んで反対側の近鉄百貨店に車を停めて、とりあえずお昼ご飯にラーメンを食べた。「時雨製麺所」は清湯系のつけ麺が食べられる、滋賀では貴重なお店。チャーシューと味付け玉子も美味しい。その後は近鉄に戻り、すこし買い物をする。オリックスバファローズパ・リーグ優勝記念セールが行われていたけれど、特に大きな買い物はせず。ハンズをうろついたくらいなので、特に恩恵に預かることはなかった。頑張れオリックスセ・リーグではベイスターズを、パ・リーグではオリックスをずっと応援していたので、来年こそはベイスターズに優勝して欲しい。夕方くらいに帰宅。夜は特に何もせず。すこし作業をしてから寝たい。

 

 11/7(日):昨日は学部時代の先輩と電話をしてから寝た。最近会ってないですねーという話になり、ふんわりと予定を決めた。かっちりとは決まっていない。凡庸な感傷は歴史に接続しなければならないなんて話をしたような記憶もあるけれど、いかんせん眠かったので定かではない。あっちもはっきりとは覚えていないだろう。深夜の通話はこんなものである。ぼんやりと起きる。朝の冷え込みが激しい。立冬らしい朝。「シューイチ」を見ながら朝ご飯を食べ、午前中は特に何をするでもなく過ごした。なんとなく宝塚のショーが見たくなったので、ハードディスクにある『Dramatic S』を再生。早霧せいなさんはめちゃくちゃかっこいいトップスターだったし、咲妃みゆさんは素晴らしいトップ娘役でした……。今は退団した人たちの姿が懐かしい。宝塚といえば、衝撃的というか、ファンとしては耳を疑うニュースがあった。昨日から始まった花組の大劇場公演で、水美舞斗さんが二番手羽根を背負っていなかったというのだ。そんなことがあっていいのか?明日海りおさん退団以降の花組はちょっとバタつきが酷い。劇団はいったい……。この一件については個別でエントリーを書きます。おそらく。驚きとすこしの怒りで、母親に「マイティー(水美さんのあだ名)二番手羽根背負ってないって!」と言ったらそのとき右手に持っていたマグカップに大きなヒビが入って使い物にならなくなった。ずっと使っていたのに……。午後からも外出せず。今日は一日を家で過ごした。本当に勉強もしなければならないし作業もしなければならないのだが、何かと理由をつけてなにもしなかった。これも勉強と言い聞かせながら本を読み、雑誌をめくる。早く寝てしまって、新しい一週間に備えたい。

週間日記(2021/10/25~10/31)

 10/25(月):冷たい雨が降っている。朝から晩まで降っている。雨は季節を押し流すと言うものの。ぼんやりと起きて、ぼんやりと朝ご飯を食べる。「ラヴィット」を見ながら。今週はアシスタントのアナウンサーが夏休みに入っているらしく、代打を日向坂46の松田好花さんが務めていた。8月と9月のマンスリーレギュラーとして出演していた頃にはその泣きっぷりが話題をさらっていたが、今日もオープニングから泣いていた。丸山桂里奈さんも連動して泣いていた。「Bluetoothで連動してんの?」という麒麟・川島のツッコミに笑う。ここ最近は「『ラヴィット』は見たいが最後まで見ていると一日の活動を始める時間が遅れてしまう」というそれはそれは大きな問題に直面していたのだが、今日解決策に出会った。番組を見ながらでも出来るような単純な作業はもうそれでやってしまうという、単純な解決策。ジョイマンが便利家電を紹介し、ぼる塾と木南晴夏のロケを見ながらボールペン字の練習をし、英語を読む。思っていたより作業を進められたので、しばらくはこれでいこう。ボールペン字は今日から気合を入れていて、初日は単純な縦線や波線を書く練習からのスタートだった。波線、めちゃくちゃ難しい。そもそも日本語の文章を手書きするの、めちゃくちゃ難しくないですか。漢字カタカナひらがな……そりゃアルファベットが普及するよという気持ちになる。出来る限り毎日続けて、30日後には綺麗な文字を書けるように頑張ります。「ラヴィット」を見届けた後は、「バナナムーン」を聞きながら家のことをした。掃除機をかけたり、服を洗ったり。『イカゲーム』、世間の流行に疎い自分の耳にも入ってくるくらい流行っている。バナナマンのふたりも見ているらしい。いかんせんNetFlixに加入していないので、発信源がそこだと厳しい。午前中のうちに外出して、最寄りの書店でジャンプを買った。ちょうど雨の激しい時間帯で、冷たい空気が気持ち良かった。寒いのは嫌いじゃない。今週の『呪術廻戦』には『AKIRA』のオマージュが。30分の仮眠を挟み、午後はぼちぼち活動的に過ごす。まずはずっと眠っていたスノーボード用具を引っ張り出し、インターネットで買い取りの見積もりを出してもらった。最近はこう、何から何までオンラインで手続きが可能なので嬉しい。公的なもの以外。確か20歳か21歳になる年に一式を買いそろえたので、もう7年以上前になる。値段が付けば御の字、引き取ってもらえるだけでもありがたい。家にあるものを徐々に処分しなければならない。ブログの更新もした。宝塚の隠れた名作『パリの空よりも高く』のレビュー記事。これは本当に良いコメディなので、スカイステージで放送される機会があったらみなさんぜひ見てください。夜は特に何もせず。もうちょっと作業をしてから寝たい。小説を書くんだという気持ちを高めていく必要がある。

maholo2611.hatenablog.com

 

 10/26(火):昨日と比べると気温が上がり、日中は比較的過ごしやすかった。窓を開けて換気でもしようかな、なんて思うくらいの体感温度。ただもう秋ではない。小さい秋小さい秋……。寝る前にやっぱり『映像の世紀 PREMIUM』を見た。配信されている放送回のうち、まだ見ていないものが残り三つとなったのでもう全部見てしまいたい。「ナチス 狂気の王国」と題した回は今までのナチス特集とは違い、ヒトラー本人ではなく周囲の人物に焦点を当てるものだった。ゲーリングゲッベルスヒムラーアイヒマンなどなど。アイヒマンに関連してアレントの引用もあった。倫理学の講義で軽く勉強したときに(しっかりやっといた方がいいかもなぁ)と思った記憶があるが、結局ちゃんと著作を読んだことはない。一瞬だけハイデガーも登場していたのは、アレントの引用と無関係ではないだろう。なぜ一兵卒のヒトラーにエリートたちが盲従したのかみたいなテーマは私が物心ついてから方々で連綿と議論が交わされているが、まぁ、そういうこともあるでしょうとしか思えない。むしろ現代の方が……。ぼんやりと起きて、朝ご飯を食べる。「ラヴィット」を見始めた関係で、起きてテレビをつけるとTBSにチャンネルを合わせるようになった。安住さんの労働時間が気掛かり。朝食を済ませて、「ラヴィット」を見ながらボールペン字の練習をする。曲線、めちゃくちゃ難しい。難しいけれど、今のところ楽しい。これから手書きの文字を披露する機会なんてものはほとんどなくなるのだろうが、楽しい。設定された一日のノルマをこなして、次はアイロン作業に取り掛かる。ペン字の練習をして服にアイロンをかけていると、自分の肩書きがよく分からなくなるけれど、私は私です。白い服はシワが目立ちます。次は英語。どんどん訳していく。タイマーを1時間に設定してから作業に入るのだが、今日はすこしだけ延長した。森博嗣はエッセイの中で「キリの悪いところで中断した方がまた始める気持ちになりやすい」と語っている。私は逆で、絶対にキリのいいとこまでは進める。神経質なのかもしれない。正午くらいに外出。車に乗って母をピックアップし、竜王のアウトレットへ向かった。なんだか平日にしては人が多い。緊急事態宣言が解除され、みんな開放的な気分になっているのだろう。それでいいというか、そういうものだと思う。お昼ご飯はフードコートでラーメンを食べた。「熱いのでお気をつけください」と言われた餃子が全然熱くなくて拍子抜けしたものの、味は良かった。その後はグンゼで冬用の肌着を買ったり、ぶらぶらしたり。いわゆるヒートテックと同じ値段で綿100%の肌着が買えるなら、個人的には後者を選ぶ。途中で市役所に寄り、不在者投票をしてから帰宅。不在者投票の対義語は存在者投票なんでしょうか。夕方から夜にかけて、また『映像の世紀』を見る。辛亥革命から文化大革命終結、そして現代までの中国の歴史を追う内容。パール・バックの引用がすべてだったように思う。夜は特に何もせず。ものすごく眠いので、早めに寝たい。

 

 10/27(水):ものすごく眠かったけれど、一気に見終わってしまいたかったので『映像の世紀』を見てから寝た。「東京 破壊と創造の150年」。都市の形成を一手に任せられるの、押しつぶされそうな責任と天まで昇るような幸福感が同時にやってくるのだろうなと思う。関東大震災前の東京は見てみたかった。日本という島国にレンガ造りの建物なんて組み合わせは、遅かれ早かれ姿を消していたのだろうけれど。地震で消え、戦争で消え……。「人道に対する罪」ってなんですかという気持ちになる。戦争が最悪なのか、人間が最悪なのか。たぶん、両方だ。ちらほらと東京宝塚劇場の外観と公演の映像が差し込まれていた。宝塚は、伝統的に体制派だ。だからこそ歴史を重ねてきたのだろう。これからどうなるかな?と感じたりもするが。第二次大戦が1945年に終わり、たかだか80年前までこんなシステムの国だったんだからもうどうしようもないなんて、投げやりな気分のままベッドに入った。最近は明晰な夢を見ることが多い。「明晰夢」ではなく、あくまで明晰な夢。眠りが浅いのかもしれない。復讐の鬼になったり、延々と高速道路を西に進んだり。今日はぼんやりと起きて、ぼんやりとした一日を過ごした。朝食を食べて、「ラヴィット」を見ながらボールペン字の練習をする。楽しい。なぜもっと早く、遅くとも学部生のころに始めなかったのだろう。きっと、これから始めるすべてのことに対して同じことを思うのだ。希望に満ちた人生はあまりに短いが、絶望を抱いた人生はあまりに長い。次は英語。ぼちぼちと進めていくものの、定期的に来る本物の眠気に襲われたので、すべてを諦めてベッドに入った。びっくりするくらい寝てしまう。5時間近く。あ~あもうどれだけ頑張っても総合的にはダメな一日になるなと思いつつ、机に向かう。あっという間に夜。BSで放送されている「シャーロック・ホームズの冒険」を見た。モリアーティ教授の初登場回。直近の「ホームズ」が宝塚歌劇団によるものだったので、主要人物がみんなおじさんなことに驚く。当たり前なのだが。午前中のうちにすべてを諦めているので、早めに寝ようと思う。あれだけ寝たのに眠い。

   

 10/28(木):今日も眠い。昨日は宣言通り早めに寝たのだが、眠い。すこし前までは寝つきが悪くて仕方なかったのだが、この数日はベッドに入って目を閉じるとすぐに意識が遠くなる。「意識が遠くなる」って入眠するときにも使えるんでしょうか。多少怖いけれど、布団の中でもぞもぞと体を動かす時間が短いに越したことはない。ぼんやりと起きて、今日も「ラヴィット」を見る。オープニングトークギャル曽根vsニューヨーク・嶋佐による即興フードファイトコントが再び幕を開けたのだが、今回はメニューが「マッシュルームの鉄板焼き」という激アツ料理だったのでふたりともまったく箸が進まず。グダグダになっていてめちゃくちゃ面白かった。定期的にやって欲しい。嶋佐が300万円するマットレスに寝転んでいるところまで見届けて、外出。車に乗ってピエリ守山へ。隣接するスーパー銭湯でゆっくりと岩盤浴に入る。前に来たときは院試の結果発表当日で全然落ち着かなかったのだが、今日はもうそれはそれは穏やかな気持ちで汗をかくことが出来た。精神衛生ほど大事なものはない。休憩スペースでは『終わりのセラフ』を読む。途中までは自宅にあるコミックスで読んでいて、まず続きがどこからかを探す作業から始まった。絵がカッコイイ。みんな好きな絵。岩盤浴の次は大浴場に入ったのだが、露天風呂でずっとボディビルのポージングをしている人がいて、戸惑った。確かに鍛えられた体をしていたけれど、そういう問題ではないような気がする。銭湯を出て、ピエリ守山でお昼にハンバーガーを食べたり、ペットショップで猫を眺めたり。アメリカン・カールの子猫がかわいかった。GUで服を見て(あれ?前に見たやつはユニクロの商品だったのか?)と思い、ニトリで食器や日用品の値段を確認する。夕方くらいに帰宅。姉が甥を連れて帰ってきていたので、相手をしていたら夜になった。夜は特に何もしていない。かなりの疲労感と眠気があるものの、今日は進捗がゼロなので作業をしてから眠りたい。

f:id:Maholo2611:20211028215525j:plain

テリヤキバーガー

 10/29(金):昨日は結局特に何もしないまま寝た。結果、進捗がゼロの日が誕生した。そういうこともある。長い人生だもの。今日はいい感じの気温だった。過ごしやすい。めちゃくちゃ天気が良い。突き抜けるような青空。穏やかな琵琶湖。見ていないけれど、穏やかだったことでしょう。滋賀で生まれ育った者には分かる。穏やかだったことでしょう。ぼんやりと起きて、「ラヴィット」を見ながら朝ご飯を食べる。今日の代理アシスタントはジャニーズWESTの濱田崇裕さん。姉の影響でぼちぼちジャニーズのことは知っているのだが、WESTから選ぶにしたってどうして濱田さんなのだ。天然を寄せ集めたグループの中でも一二を争う天然なのに。「宝くじが当たったら買いたいもの」というテーマに「琵琶湖」と答える人なのに。野性爆弾・くっきー!の大暴れを見守りつつ身支度をして、外出。車に乗っていつもの美容院へ。プロに頭を洗ってもらうのが一番気持ちいい。普通に一瞬寝てしまった。だいたい一時間くらいで終わって、顔面が毛だらけのまま帰宅。散髪という行為のシステム上仕方のないことだと分かってはいるのだが、もうちょっとどうにかならないだろうか。「この後どこか行かれるんですか」と聞かれても「いやこの状態じゃ無理でしょ」と答えるしかない。言わないけども。いや、予定があると伝えたらしっかり取ってくれるのか?なにも分からない……。特にどこかへ寄ることもなく、昼前に帰宅。そのまま家のことに取り掛かる。洗濯物をやったり、掃除機をかけたり。「ハライチのターン」を聞きながら。「ラヴィット」のオープニングで東京ホテイソンショーゴが紹介していた空飛ぶバイクこと「XTURISMO」がここでも紹介されていて、面白かった。情報統制のされているSFフィクションみたいな世界観。今週のポッドキャストはいつにも増して面白かったので、おすすめです。午後は英語をやったり、昨日やれなかったボールペン字の練習をやったり。何回でも言います、曲線を書くのが難しすぎる。作業のBGMには星組公演『ロミオとジュリエット』のライヴCDを聞いた。「憎しみ」、「受け継がれる憎しみ」というテーマは現代にも広く当てはまるものだと思う。「難民の世紀」と呼ばれる100年を経て、未だ……。夜は特に何もしていない。今日も早めに寝たい。

 

 10/30(土):微妙な天気。すこし雲が多く、雨の振りそうな雰囲気がある。いつもの土曜日よりは早めに起きて、バタバタと朝食を済ませる。なんとなく朝からスカイステージを流してみると、宝塚音楽学校の特集番組が放送されていた。出演している現役タカラジェンヌはみんな主席で学校を卒業している人たちばかりで、厳しさがあった。これぞ宝塚。バタバタと身支度を済ませ、電車に乗る。京都駅で乗り換えて新幹線乗り場に向かうと、それなりの人混み。およそ一ヶ月前、東京へ行くためにここへ来たときは本当に閑散としていたけれど、みなの意識が変わってきているらしい。それでいいと思う。今日は東ではなく、西へ向かう新幹線に乗り込んだ。目的地は博多。車内にもそれなりの人。しかし車内販売は今月いっぱい休止されているらしく、あのすごく固いアイスは食べられない。自販機もないので水を買うこともできない。自分はペットボトルのお茶を持ち込んでいたけれど、知らずに乗り込んだ人もいるのだろう。京都駅から博多駅までの旅は長い。だいたい2時間半。数字にすればそこまででもないのに、京都-東京よりも格段に長く感じる。テネシー・ウィリアムズの『ガラスの動物園』を読みながら過ごした。来年には岡田将生らの出演で舞台作品の上演が決まっている。幸いすでにチケットを確保できているので、母の蔵書から拝借した形。翻訳が50年近く前のものなので、今では絶対に使えない言葉が多い。この人物を演じている岡田将生を早く観たいなと思った。なんだかんだでお昼すぎに博多駅に到着。とりあえずご飯を食べるため、博多バスターミナルへ足を向ける。初めて行く場所だったけれど、事前に道のりを調べていたので大丈夫だった。地下にある「牧のうどん」に入る。福岡には多くの名物料理があるけれど、うどんもそのひとつ。いわゆる讃岐うどんのような歯ごたえのある麺ではなく、やわらかいタイプの麺が特徴。肉うどんとかしわご飯を注文。びっくりするくらい早く出てきた。さすが人気店。どんどんスープを吸って増えていく麺との戦いだったが、美味しかった。コシのあるタイプのうどんも好きだけれど、この先一生どちらかしか食べられませんと言われたらやわらかいタイプを選ぶと思う。パンパンになったお腹を落ち着かせるため、そこから20分ほど歩いて今日のホテルに向かった。博多座のほど近く。そう、今回の福岡旅行最大の目的は博多座での月組公演観劇。新トップコンビ月城かなと・海乃美月のプレお披露目公演は『川霧の橋/Dream Chaser』。非常に素晴らしい公演でした。個別にエントリーを書きます。大劇場公演への期待値がものすごいことになりました。博多座という劇場の持つ素晴らしさも変わらず。「観劇」という行為の非日常性・娯楽性はただ客席に座っている間にだけ感じられるものではないのだということが伝わってくる。劇場に足を向け演目を楽しみ、その土地の空気や文化に触れ、その中で食事をすることの大切さ。終演後は劇場近くのお店で水炊きを食べた。めちゃくちゃ美味しかった。福岡、美味しいものが多すぎる。ホテルに帰り、お風呂に入り、幸せな気分のままベッドに入った。

f:id:Maholo2611:20211031143814j:plain

博多座

 10/31(日):お酒を飲んだ夜特有の、「寝坊したんじゃないか」と思って起きたら1時間くらいしか経っていないやつを何度かやって、いつも通りの時間に起床した。ぼんやりとした頭と水分の抜けきった体を復活させるため、ぬるめのお湯を張った浴槽にゆっくりと浸かる。旅先での朝風呂がなんとなく好き。普段はしないことを積極的にしたくなるのが旅なのかもしれない。朝食はお粥で軽めに済ませた。流石にあまりお腹が空いていない。チェックアウトまではまだ時間があったので、ホテルの周辺をぶらぶらと散歩した。気分はウォーキングのひむ太郎。まだほとんどのシャッターが下りている川端通商店街を抜けて、櫛田神社へ。花組公演『あかねさす紫の花』でここに来たときはゴールデンウィーク、博多どんたくの真っ最中でものすごい人混みだったのだが、今日はちらほらと人がいるくらいのものだった。帰りは博多川沿いをゆっくりと歩く。すぐそこは海という場所なので、おそらく淡水と海水が混ざっている。小さな魚の群れが泳いでいて、都会の中に自然が入り込んでいる。「良い川は都市を良いものにする」とはよく言ったものですが……。博多川とか、鴨川とか。風が気持ちいい。陽向と日影の気温差が激しい一日で、服装が難しかった。部屋に戻り、もうすこしゆっくりしてからチェックアウト。早めに博多駅へ戻り、お昼ご飯。昨日から決めていた、「shinshin 博多デイトス店」へ向かう。お店の前にはものすごい行列が出来ていたけれど、そのために余裕をもってきたのだ。一切の躊躇いなく、列に加わる。回転が速く、思っていたより待つことなく案内してもらった。そしてラーメンが来るのも早い。かつ激熱。めちゃくちゃ美味しい。豚骨臭さはなく、豚の甘みを感じるようなスープとそれにからむ細麺が最高。福岡、宝塚の常設劇場があったら移住していたと思う。現状の理想は博多座で宝塚の公演が打たれている期間中は丸々ホテル暮らしで、当日券の様子を見つつ遊びまわって食べまくるという生活。お金を稼ぎましょう。ラーメンを食べた後は駅構内を歩きまわってお土産を買い漁り、新幹線に乗った。遠い。博多-京都、長い。完全に飛行機の方が速いのだが、飛行機は飛行機で空港に行くまでに時間がかかる。伊丹空港なら自家用車か高速バスだが、駐車場やフライト時刻の問題が大きい。あちらを立てればこちらが……。京都駅で乗り換えて、帰宅。テレビは選挙特番一色。投開票の前からそれくらいの熱量で特番を打てよと思わないこともない。各地の激動と絶望を見聞きしていると、東京の電車内で起きた凄惨な事件の報が入った。感情がめちゃくちゃになる。理性をいろいろな方向に走らせなければならない。こんな時代です、みなさんいかがお過ごしですか。「博多は最高」、今週の結論はそれです。

f:id:Maholo2611:20211031144010j:plain

煮卵入りラーメン