感情の揺れ方

それでも笑っていたい

週間日記(2021/9/27~10/03)

 9/27(月):涼しい。ちょうどいい。これです。私が求めているものは。ぼんやりと起きて、朝ご飯を食べる。途中まで「ラヴィット」を見ながら。月曜日の朝は生放送大喜利番組じゃなくっちゃ。本当はやらなければならないことというか、今週末に受ける予定の試験があるのでそのための勉強を進めなければならないのだが、二週間前に受けた試験の結果がまだ出ていないので重い腰が上がらない。本当に重い。こんなに重いことある?っていうくらいには重い。テキストに目を通しても頭に入ってこない。上滑りの極致。文章がただ文字の羅列として体内を通り過ぎていく。何の意味もなさない。ほとんど勉強しなかった。午前中はとりあえずプライムビデオで「映像の世紀」を見た。90年代に放送されたシリーズはすべて見終わって、今日からは新しいシリーズに入る。リュミエール兄弟が映画を生み出してからのおよそ100年、カメラが捉えるもののほとんどは戦争だった。第一次大戦に端を発した悲劇は世界を巻き込み、いまだ終わっていない。ナレーションが山田孝之で、最初は気がつかなかった。当たり前だけれど、良い声。その後は「バナナムーン」を聞きながら掃除機をかけたり、服を洗ったり。手洗いした服を洗濯機に入れたときの脱水が一発でうまくいくと嬉しい。多すぎても、逆に少なすぎてもうまくいかない。昼前にはすこし外出して、最寄りのコンビニでチケットを発券したり、ジャンプを買ったり。風が気持ち良くてふらふらと散歩でもしようかなと思ったけれど、すぐに帰宅した。ジャンプを持ったまま散歩をするのはきつい。今週一番残酷な内容だったのは『高校生家族』じゃないでしょうか。どうですか。午後も本当にやる気がなくて、なにを思ったのか気がついたら家にある『ソウルイーター』を全巻読み返していた。大掃除の途中にやるやつ。作中において三度描かれるブラックスターvsミフネ戦は屈指の名勝負というか、こうグッとくるバトルシーンなのでみなさんも読んでください。全25巻です。一番カッコイイのがブラックスター、次が受付のおばちゃんです。今になって読み返してみると、カッコよくて面白いのはもちろんかなり重いテーマに満ちた作品になっている。信仰、児童虐待、子供のアイデンティティ……。全部読み終わったころには夕方。充実した日中だった気がする。夜ご飯の代わりにプロテインバーを食べてからというもの、おならが止まらない。ずっと胃腸が動いている。イヌリンのせいだろうか。

 

 9/28(火):今日はすこし暑い。昨日より気温が高く、風も弱い。結果、蒸し暑い。秋なのか、夏なのか。ぼんやりと起きて、「ラヴィット」を見ながら朝ご飯を食べる。午前中から外出。車に乗って竜王のアウトレットへ。姉とその子供(甥)と合流して、ぶらぶらと買い物をする。道中の空に広がっていた鱗雲が綺麗で、すいませんめちゃくちゃ秋ですと謝っておいた。夏じゃないです。ハンカチが5枚セットでびっくりするくらい安くなっていたので、今持っているものをすべて入れ替えるくらいの勢いで買ったりした。ハンカチ、捨てるタイミングが全然分からない。いつまでも使えるし、いつまでも水を吸う。高校生のときから捨てずに使っているものもある。家の鍵をつけているキーホルダーにいたっては使い始めて20年近く経つ。物持ちが良い方なのかもしれない。お昼ご飯にはフードコートの「甲賀流」でたこ焼きを食べた。中学生のとき、アメリカ村(大阪)にある本店に行ったことを思い出す。そのときは友人と「閃光ライオット」の大阪予選を見るため、電車を乗り継いで出かけたのだった。もうあれが10年以上前なのかと思うと、すこしぞっとする。光陰矢の如し。中学生くらいまでは深夜ラジオって「スクールオブロック」くらいしかやっていないと思っていたし、あらゆる新曲初放送はここで行われると思っていた。いろいろなことが懐かしくなる。大阪のたこ焼きだと「くくる」か「甲賀流」が好きです。夕方くらいに帰宅。夜は「バナナサンド」の2時間スペシャルを見た。「バナナムーン」で何度も言及されていた日村さんの「レクサス」こと6人乗りフラミンゴフロートの現物がついに放送されていて、めちゃくちゃテンションが上がった。思っていたより大きくて、普通に笑ってしまった。あれをプライベートで買う人、おかしいよ。おじさんたちが楽しそうにはしゃいでいるだけの2時間が、面白い。CSのスカイステージでは宙組公演大千秋楽の映像が放送されていた。退団者が退団当日に見せる、あの今までとは全く種類の違う美しさというものに魅了されてしまう。彼ら彼女らにしか出せないものがある。アウトレットを歩き回って疲れてしまったので、今日は早めに眠りたい。近所の公園にフリースタイルラッパーが集合しないことを祈っている。

 

 9/29(水):まだ書き始めたばかりだが、今日は本当に書くことがないような気がする。それくらい、地に足のつかない感覚のまま一日を過ごした。ふわふわと時間だけが過ぎていく。9月の終わりって、こんな感じでしたっけ。ぼんやりと起きて、ぼんやりと朝ご飯を食べる。昨日、スターバックスに寄って買っておいた「石窯フィローネ チキンアラビアータ」を食べる。そういえばフィローネってなに?と思ったので調べたら、イタリアンブレッドの一種とのことだった。イタリアのパンです。包装に書かれている通り、電子レンジであたためてからオーブンですこし焼くと美味しい。今日は魚焼きグリルにつっこんだけれど。パン自体に高さがあるのですぐに焦げる。すこし焦げたところが美味しい。「ラヴィット」はスーパーやコンビニで買えるメロンパンのランキングと、見取り図のぶっ飛びロケ。真ん中にホイップクリームの入ったメロンパンが一位だったので、意外だった。実際にパンを作っている本職の人ほど「そういうもんだし」という意識が強いのかもしれない。本当は勉強をしなければならないのだが、どうにもやる気が出ないので「ラヴィット」を見た後は「新・映像の世紀」を見ながら特段急ぐ必要のない雑事をこなした。Blu-rayにダビングした宝塚作品のジャケットを手作りしたり。既製品のジャケット画像を印刷するだけなのだが、地味に時間がかかる。ロックフェラーやモルガンといった、いわゆる「グレートファミリー」と世界大戦の関係に迫る内容の回と、時代が独裁者を求めたという回を立て続けに見た。1930年代、恐慌のさなかに起こった「ダストボウル」──断続的に発生した大規模な砂嵐──で農業は壊滅的な打撃を受け、農家は土地を捨てカリフォルニアを目指したという映像を見て「スタインベックの世界だなぁ」と思っていたらナレーションでスタインベックが引用されて、すこしテンションが上がった。そしてすぐに恥ずかしくなった。バラエティを見ているときに独り言のツッコミと出演者のそれがかぶったときみたいな恥ずかしさがあった。些末な作業を終えたのがお昼過ぎ。風が気持ち良かったので、30分くらい昼寝をした。それから夜まで、特になにもしていない。TVerで「トゲアリトゲナシトゲトゲ」を見たり、最近ちょっと話題になっている見取り図のYoutubeチャンネルを見たり、久しぶりにパワプロを起動してアップデートに時間がかかったり。もう十年以上パワプロをやっているけれど、いまだに投球術が分からない。ある程度は抑えられるけれど、「めちゃつよ」になるとしんどい。プロのキャッチャーはパワプロが上手かったりするのだろうか。なんとなく「有吉の壁」は録画して、リアルタイムでは見なかった。もうなんというか、早く寝てしまうのが良いような気がする。

   

 9/30(木):蛇が出ない。鬼が出るか蛇が出るかというところで、ずっと鬼が出続けている。あらゆる試験に落ち続けている。果たして高校受験以来、第一志望というものに合格したことがない。ちょうど10年、ずっと努力不足が続いている。権威主義からの脱却が必要なことは分かっているが、そうは言っても難しいものがある。気づけばこんなところに来てしまったと言うべきか、ここに来るしかなかったと言うべきか。2月に受けた試験に落ちたときもダメージがあったけれど、今回のダメージはそれの比ではない。なにせ二次試験に進んだ受験生の中で不合格を言い渡されたのは私だけなのだ。受験番号を掲示する方式だと、こういうことも明らかになってくる。なんというか、結構きつい。しんどさが、頭ではなく肉体にくる。そうすると、日常では蓋をして見ないようにしていた、見ずにすんでいた不安が堰を切ったように流れ出してきて、身動きが取れなくなる。それでも、ここを進んでいくしかない。いつかすべてを伏線にして、笑ってやるしかないのだ。そうは言ってもしんどいので、予定を変えて車に乗り、近所のスーパー銭湯で汗を流した。ずっと心臓の鼓動が速い。岩盤浴で寝そべっていると、今にも爆発するんじゃないかと思う。適当に汗を流し、お昼にはハンバーガーを食べたが、あまり味がしない。いつもならするはずの味がしない食事、何度か経験がある。精神と肉体との不明瞭な関係。帰宅して、正直なにもしたくなかったけれど、また机に向かった。日曜日にはまた試験がある。試験に落ちたらどうなる?また次の試験がある。夜は「怒り新党」の夏目三久芸能界引退特別スペシャルを見た。10年前の映像だと、有吉弘行もマツコもめちゃくちゃ若い。フィジー出身のラグビー日本代表みたいだったねと自分にツッコミを入れるマツコが良かった。ベッドに入り、悔しさと怒りを感じつつ、寝る。

 

 10/1(金):10月の始まりは、最悪な気分とともに。一夜明けて、怒りの方が勝ってきた。後悔するがいい私を落としたことを、とまではいかないものの、また深いところまで潜ればいいんだと思えるようになってきた。たとえそこが……。のそのそと起きて、ぼんやりと朝ご飯を食べる。「ラヴィット」を見て笑う。ゲストにかまいたちのふたりが出演していて、あらゆる場面でしっかりと笑いを取っていた。すごかった。力が違う。生放送特有のスベり笑いみたいなものが一切なかった。さすが、テレビに出すぎている人たちは違う。途中まで見て、家のことに取り掛かった。とりあえず「ハライチのターン」を聞きながら掃除機をかける。お台場のレインボーブリッジが見えるスタバのテラス席でパソコンを広げトイカメラで写真を撮る自分にやばさを感じる岩井さんのフリートークが良かった。いや、岩井さんがそれをやっちゃお終いですよみたいな状態だ。掃除やなんやらを済ませたあとは、夜まで勉強。こういうときの集中力はすごい。たとえ可能性が低くても、獲れる確率が1%でもあるならやる。やります。夜はCSのスカイステージで放送されていた『オネーギン』を見る。轟悠宝塚歌劇団を去るまさにその日に、数多ある主演作の中でこれを放送するというスカイステージの意思みたいなものを感じて、グッとくるものがあった。2010年の雪組。彩凪翔さんのあふれるスターダム、緒月遠麻さんの良い声、そして轟悠の凄味。やるしかないねんの気持ちを新たに、荷造りをしてから寝たい。

 

 10/2(土):季節の進みは遅い。10月ってこんなに暑いものでしたっけ。シャツ一枚で快適に過ごしたいのに、そうは問屋が卸さない。朝起きて、朝食を済ませ、午前中から出かける。当日だけスーツを着ればいいじゃんと思い、すぐに「いや革靴問題があるじゃん」となって結局前日からスーツを着て出かける。この2週間で2度目の思考。シャツ、暑い。汗をかく。自分の体質も関係しているとはいえ、暑い。電車に乗り、京都駅で新幹線に乗り換える。昼食の代わりにスターバックスで甘い飲み物を買った。緊急事態宣言が解除されてから初めての週末ということもあり、それなりの人出、乗車具合。今のうちに帰省をしてしまおうみたいな雰囲気の家族連れも多かった。人間、色々ある。ふにゃふにゃになった紙ストローで飲むフラペチーノの明らかに最悪で、この問題はもうちょっとちゃんと考えなければならないのではと思ったりした。新素材で生まれないかなぁとぼんやり考えているだけの自分も同罪かもしれない。車内ではずっと単語帳とにらめっこをしていた。自分が大学受験を控えていたころはろくなアプリがなく、ほとんどの人は物理の単語帳を使っていた。今となっては遠い過去のように思われる。実際、そうなのだが。およそ2時間にわたって単語帳アプリを使っていたので、モリモリと充電が減っていく。東京でスマートフォンの充電が切れたら終わってしまう。東京駅から大手町駅まで歩き、そこから東西線。九段下の駅を降りて坂道を上がるのではなく、普通にホテルへ向かった。武道館は屋根だけ見えた。チェックインして、とりあえず荷解き。着替えをリュックから出して、明日用のシャツはハンガーにかける。ホテルで荷解きをするのはなんとなく好きだ。試験会場には一度も行ったことがなかったので、散歩を兼ねて下見に出かけた。まったく来たことのない土地を歩く。学校の多い街らしい。そして警察の人も多い。治安が悪いのかと思ったら、靖国神社の裏手を歩いているからだった。目的地はめちゃくちゃ高層ビルで、キャンパスすら調べていなかったので驚いたし、笑ってしまった。琵琶湖の周りに建てようとしたら条例に引っかかるくらいの高層ビル。道のりは把握できたので、帰りは別の道を通り、途中でお弁当を買ってホテルに戻った。早めの夕食。ちょっとお高いのり弁。ハライチの岩井さんが以前に話していたお弁当。美味しかった。お店の前にあるスピーカーからソーラン節っぽい音楽がそれなりの音量で流れていて入りづらかったけれど、美味しかった。こういうときの、試験前日に前乗りしたホテルでの勉強は、十中八九捗らない。集中できない。そわそわしているから。「キングオブコント」は録画しているけれど、空気階段が優勝したらしいことはTwitterから伝わってきた。アラームだけは設定して、ベッドで勉強しているうちに眠っていた。

f:id:Maholo2611:20211003222325j:plain

のり弁。

 

 10/3(日):アラームの10分前に目が覚める。試験の朝はだいたいこうやって目が覚める。脳は休めていないも同じだと思うのだが、どうなのだろう。音が欲しくてテレビをつけたら、PUFFYのふたりと藤井隆が鼎談していた。夢っぽい映像だなと思いながらシャワーを浴びて、身支度をする。予定よりは早いけれど、朝食を食べるためロビーまで降りた。試験の朝はだいたい、食欲がない。胃が重いというか、喉が飲み込んでいかないというか、そういう感覚がある。小さな食パンを一枚とゆで卵をひとつ、あとはスープとアイスコーヒー。カレーもあったけれど、食べなかった。苦しくなるだろうなと思った。パンもゆで卵も全然入っていかない。あまりに入っていかないので、ちょっと笑ってしまった。心を病んで痩せてしまう人の気持ちも、心を病んで太ってしまう人の気持ちも、同じくらいには分かる。分かるというか、想像は出来る。部屋に引き上げて、ぼんやりと「シューイチ」を見る。テキストを開きながら。各種スポーツのハイライトを見ながら部屋を整えたり荷物を整理したりして、適当な時間に出発。昨日確認した道を行く。日曜日の朝だというのに、制服を着た高校生らしき人達が登校していく。部活っていったいなんなんだよという思い、現場を離れると一層強くなる。川を渡って、目的地に到着。運河っぽいけれど、お堀の一部っぽくもある。いずれにせよ、大きな淡水を見ると落ち着くのでありがたい。試験はつつがなく終わった。手ごたえは二週間前に受けたときの方があったが、そうだろうなという感じ。圧倒的に時間と能力が足りず、結果準備不足。それでも出来る限りの解答を書くことが大事です。昼過ぎに筆記が終わり、2時間後に早くもその合否が出て、通過していたら口述試験に進むというハードスケジュール。周辺を散歩しようかとも思ったが、英和辞書の入ったリュックがあまりに重すぎるので、用意されていた控室でジッとしていた。同じ場所で待っていた人達の様子をなんとなく観察していると、やっぱり色々な個性がある。爆睡している人、勉強している人、化粧を直している人、落ち着かない様子で歩き回っている人。時間が来て指示された場所に向かうと、受験番号が掲示されている。宝塚音楽学校方式じゃん。道行く人々が興味深そうに見てましたよ。幸いなことに自分の番号も掲示されていたので、そのまま面接に進んだ。もう手応えとかそういうのは分からないです。運否天賦です。夕方、きらめく高層ビル群を見ながら駅に向かい、路線によって改札が違うというトラップに引っかかりながらも東京駅へ。めちゃくちゃ人が多い。以前の姿に戻りつつある。晩ご飯用に牛タン弁当を買って、乗車。ぼんやりと、特に何をするでもなく。新幹線に乗って京都へ戻り、そこから最寄りまで在来線に乗っていると、嘘みたいだなといつも思う。いったい何キロ離れているのか、アドルノの言っていたことはこういうことなんじゃないのかとか、いろいろ。めちゃくちゃ疲れたので、早くお風呂に入って早く寝ようと思う。