感情の揺れ方

それでも笑っていたい

雑記:気になる歌劇団の人事

 みなさんこんにちは。『あかねさす』と『ANOTHER WORLD』の感想を記事にして以来ブログのアクセス数が跳ね上がりまして。嬉しいやら恥ずかしいやらだったんですがそれも落ち着いてきたので、雑記として宝塚関連の記事を書こうかなと。

 まさしく初夏、という気候が続いているこの頃ですが、おそらく来月あたりに劇団からトップ就任やら卒業やら組替えやらの人事に関する発表があると思われます。そこで今回は人事がどうなるかなぁなんてところを考えたいんですが、言ってしまうと前回の組替えはまったく予想していなかったのでものすごく的外れな記事になる可能性もあります。芹香斗亜さんの宙組移動とか全然考えてませんでしたし。そのまま花組でトップになるものだとばかり…。娘役さんたちの組替え、特に2年目3年目の娘役さんたちの組替えは外から見ているだけでは分からないところがあるなと個人的には思うので、前回の華雪りらさんや桜庭舞さん、天彩峰里さんたちの組替えはともかくキキちゃん(芹香さんの愛称です)の組替えはまさしく青天の霹靂というか。というところで、今回話していきたいのはまず①星組のトップコンビはどうなるのか、次に②花組に組替えするのは誰か、そして③月組の次期トップ娘役は誰になるのか、です。

 もちろんこの中で直近に迫っているのは③の月組次期トップ娘役なんですが、まず①の星組の話からしたいと思います。これは個人的な予想なんですが、星組現トップコンビの紅ゆずるさんと綺咲愛里さんは2019年のお正月公演(宝塚大劇場1/1~2/4,東京宝塚大劇場2/15~3/24)で退団されるのではないかと思います。コンビ同時卒業の添い遂げ退団ですね。この予想にはさまざま理由がありまして、紅さんの体調面など考えているんですが、詳細は割愛します。じゃあ紅さんと綺咲さんが卒業されるとして、候補は誰なのか。星組の中で順当に考えれば、七海ひろきさんと礼真琴さんだと思います。七海さんは宙組から組替えで星組に来られて3年。申し分のないかっこよさが魅力の男役さんです。礼さんは2009年入団の95期生ながら若い頃から新人公演、バウなどで活躍され、昨年には東特(関西、東京の劇場での公演)での主演を経験された、勢いのある男役さんですね。正直、どちらがトップになられてもおかしくありません。ただ、どちらがトップになったとしても、どちらかが花組に組替えをされるんじゃないかなと個人的に思います。理由としては、まず現状の星組は男役が少し渋滞しているような雰囲気があります。ベテランには七海ひろきさんや天寿光希さん、輝咲玲央さん、若手には礼真琴さん、瀬央ゆりあさん、紫藤りゅうさん、天華えまさん、最近勢いを増している極美慎さんなどなど。綾凰華さんは雪組へ組替えされましたね。そこで、ディナーショーまで成功させた礼さんか、2017年にバウ単独初主演、『THE SCARLET PIMPERNEL』のショーヴランなど本公演でも確かな存在感を発揮する七海さんのどちらかが花組に組替えになるのかなと思います。そして、なぜ「花組に」組替えなのかというと、明日海りおさんの任期という問題があるからです。正直、私としては2019年には明日海さんが退団されて、芹香さんが後任で柚香光さんが2番手に、という形だと思っていたのですが、芹香さんが宙組で2番手になり真風涼帆さんの後任で宙組トップになられるようなので、明日海さんがもう少し長く在任されるのか、もしくはそのまま2019年の4月までで卒業されるのか。そこで、七海さんか礼さんに花組で新たな風を、という人事があるのかなと思います。なんというか、劇団としては柚香光さんをもう少しじっくり丁寧に育てたいのではないかなと個人的な印象が。私自身の、本当に個人的な願望としては七海さんに星組でトップスターになって欲しいんですが、なんとなく星組は生え抜きの若いトップが好きなイメージが…。でも、七海さんのように派手な男前には星組でトップになって欲しい。もうお分かりだとは思うんですが七海さん大好きなので…。

 で、もし七海さんが星組でトップになるとしたら、お相手になる娘役さんは誰になるのか。星組の生え抜きなのか、他組から組替えで誰かがいらっしゃるのかは分かりませんが、おそらく星組に娘役さんが組替えしてくることはないかなと思います。先ほども少し述べましたが、華雪りらさんと桜庭舞さんが星組へいらして、音咲いつきさんも『ベルリン』から娘役さんに転向されていますので。そうなると候補として考えられるのは、有沙瞳さんと小桜ほのかさんではないでしょうか。お二人の経歴を、新人公演や別箱(バウホール梅田芸術劇場などの外部劇場)でのヒロイン経験を中心に見ていきたいと思います。

 まず有沙瞳さん。2012年入団の98期生。

 新公:2014年『一夢庵風流記 前田慶次』まつ役(本役:愛加あゆ)

    2017年『THE SCARLET PIMPERNEL』マルグリット役(本役:綺咲愛里

 別箱:2015年バウ『銀二貫-梅が枝の花かんざし-』真帆/おてつ役

    2017年東特『阿弖流為-ATERUI-』佳奈役

    2018年東特『ドクトル・ジバゴ』ラーラ役

 このように、非常に経験豊富な娘役さんですね。2016に雪組から組替えで来られて以降、本公演では2番手格の役柄を演じられています。エトワールも一度経験されているので歌唱力には非常に定評があり、経験・実力ともに十分といえるのではないでしょうか。特に『スカピン』新人公演では、本公演でも中心人物を演じ準備期間が十分に取れないながらも、難曲の多いマルグリットという役を好演し鮮烈な印象を残されています。今回の星組公演『Killer Rouge』でもその歌唱力を存分に発揮し、存在感を示されていました。

 次は小桜ほのかさん。2013年入団の99期生。

 新公:2016年『桜華に舞え-SAMURAI The FINAL-』大谷吹優役(本役:妃海風)

 別箱でのヒロインはありませんが、新人公演や外部劇場ではしばらく2番手格を務められていらっしゃいます。『こうもり』新人公演のイーダ、『スカピン』新人公演のマリー、『ベルリン』新人公演のレーニ、『ジバゴ』でのトーニャなどですね。エトワールの経験も一度。スカイステージでの番組などを見ていると、小桜さんはとてもほんわかしたというか、娘役さんらしい娘役さんなのですが、いざ舞台に立つとガラッと雰囲気が変わる役者さんで、演技力に長けている方だなという印象があります。特に『桜華に舞え』本公演では、孤児になり母の復讐に燃える「太郎」という難しい役どころを見事に演じられていました。ヒロイン感は十分で、絵的には七海さんにお似合いの相手役さんかなとは思うんですが、なんとなくタイミング的には綺咲さんの後任ではなくてその次もしくは別の組になるのかなという印象もあります。

 じゃあ礼さんが花組に組替えしたとして、礼さんの相手役は誰になるのか?屈指の実力派娘役仙名彩世さんはおそらく明日海さんと同時退団をされると思うので、礼さんは新たに相手役を迎えることになるでしょう。そこで候補になるのは、やはり城妃美伶さんではないかと。それでは先ほどと同じように経歴を見ていきましょう。

 城妃美伶さんは2011年入団の97期生。

 新公:2013年『ロミオとジュリエット』ジュリエット役(本役:夢咲ねね)

    2015年『カリスタの海に抱かれて』アリシア役(本役:花乃まりあ)

    2016年『ME AND MY GIRL』サリー役(本役:花乃まりあ)

    2016年『金色の砂漠』タルハーミネ役(本役:花乃まりあ)

    2018年『ポーの一族』シーラ役(本役:仙名彩世)

 別箱:2013年バウ『かもめ』ニーナ役

    2016年バウ『アイラブアインシュタイン』エルザ役(Wヒロイン)

 5回の新人公演ヒロイン、2回の別箱ヒロインに加え、『Ernest in Love』のセシリィ役を2度演じられ、本公演での2番手格も多く経験されている娘役さんですね。星組から組替えをして早4年、満を持して娘役トップ就任ではないかと思います。もし礼さんとのトップコンビになれば、2013年の『ロミオとジュリエット』新人公演でのコンビが復活ということになります。城妃さんに関しては、花組次期トップが七海さんであろうと礼さんであろうとはたまた別の誰かだとしても相手役としてトップ娘役に就任されるだろうなというのが個人的な予想です。

 しかし、この予想にも大きく関わってくる問題がありまして、それが「愛希れいかさんの後任は誰か?」ということです。次回の月組公演『エリザベート』での退団が決まっている愛希れいかさん。この方も本当にたぐいまれな娘役さんです。その後任、つまり珠城りょうさんの相手役なんですが、個人的には誰が就任されるのかまったく予想できません。退団公演が発表された時点で月組に組替えをされた娘役さんがいらっしゃらないので、おそらくは月組の娘役さんの中から選ばれるのだろうとは思うのですが、いかんせんその法則に当てはまらない例も今までにはあるので微妙なところです。そこで今回は、順当に生え抜きでいくならこの方たちのいずれかだろう、別の組から抜擢があるなら勢いのある娘役さんたちの中でこのあたりかな?という候補の方を挙げていきたいと思います。

 まず、月組の中で候補として考えられるのは海乃美月さんと美園さくらさんではないでしょうか。お二人の経歴を見てみましょう。

 海乃美月さんは2011年入団の97期生。

 新公:2013年『ベルサイユのばら-オスカルとアンドレ編-』ロザリー役

    2014年『明日への指針-センチュリー号の航海日誌-』レイラ役

    2014年『PUCK』ハーミア役

    2017年『グランドホテル』グルーシンスカヤ役(本役:すべて愛希れいか)

 別箱:2014年東特『THE KINGDOM』ジェニファー役(Wヒロイン)

    2015年バウ『A-EN ARI VERSION』マリッサ役

    2017年東特『瑠璃色の刻』アデマール

    2018年東特『THE LAST PARTY~S.Fitzgerald's last day~』ゼルダ

 これらの経験に加えて、2015年の『1789-バスティーユの恋人たち-』ではトップスター龍真咲演じるロナン・マズリエの相手役であるオランプ役を早乙女わかばさんとの役替わりで演じられています。珠城さんがトップに就任されて以降も、本公演では2番手格の役柄を務められています。現在研究科8年目で新人公演も卒業されたので、タイミング的に考えても海乃さんがトップに就任されるのは順当かなと思います。

 次は美園さくらさん。2013年入団の99期生ですね。

 新公:2015年『1789-バスティーユの恋人たち-」マリー・アントワネット

    2018年『カンパニー』高崎美波役(本役:ともに愛希れいか)

 別箱:2016年バウ『FALSTAFF』ジュリエット役

    2018年東特『雨に唄えば』キャシー・セルダン役

 新人公演ヒロインから東特公演でのヒロインという、まさしく路線に乗っている勢いのある娘役さんです。さらに次回の『エリザベート』ではエトワールを務められる予定になっているので、これは次期トップ娘役あるのか?という。2014年の花組エリザベート』では花乃まりあさんがエトワールを演じ、トップ娘役に就任されました。ただ新人公演のキャストがまだ発表されていないので、美園さくらさんに関してはそちらも考慮に入れたいなとは思います。どちらにせよ、愛希れいかさんの後任が月組の中から選ばれるとしたらこのお二人のどちらかだろうと思います。

 では、可能性は低いと思いますが月組以外から選ばれるとしたら一体どなたなのか。正直これは本当に分かりません。順当なこともあれば大抜擢ということもあるでしょう。そのため、ここ最近で勢いあるの各組の娘役さんの中で、まだ新公学年、つまり研究科7年目以下の方をピックアップして経歴を見ていきたいと思います。ここで挙げられる方たちは、月組に関係なく組替えの可能性があるなと個人的には思っています。

 1人目は花組の音くり寿さん。2014年入団の100期生。

 新公:2016年『ME AND MY GIRL』サリー役(本役:花乃まりあ)

 別箱:2017年東特『MY HERO』マイラ・パーカー役

 さらに、2016年の『Ernest in Love』ではセシリィ役を城妃さんと役替わりで演じられています。新人公演や別箱では中心的な人物を演じることが多く、『ハンナのお花屋さん』ではアナベル役として活躍、『邪馬台国の風』新人公演では本公演で専科の美穂圭子さんが演じられた役をこなすなど歌唱力にも定評のある方です。

 2人目は花組の華優希さん。2014年入団の100期生。

 新公:2017年『邪馬台国の風』マナ役(本役:仙名彩世)

 別箱:2017年『はいからさんが通る』花村紅緒役

 新人公演初ヒロインを演じてすぐに東特で初ヒロインに抜擢されるという、今勢いのある娘役さんですね。しかも『ポーの一族』では主人公エドガーの妹メリーベルを好演されています。娘役らしい華やかな魅力を持ち合わせた方であり、これは音くり寿さんにも言えることですが、愛希さんの後任などは関係なくどこかに組替えされる可能性も大いにあると思います。

 3人目は雪組の星南のぞみさん。2012年入団の98期生。

 新公:2015年『ルパン三世-王妃の首飾りを追え!-』マリー・アントワネット

    2017年『私立探偵ケイレブ・ハント』イヴォンヌ役(本役:ともに咲妃みゆ)

 別箱:2018年バウ『妖狐義経夢幻桜』ツネ役

 前トップ娘役である咲妃みゆさんが早霧せいなさんとともに退団されて以降、頭角を現しつつある娘役さんという印象です。もちろんそれ以前から新公でのヒロインをはじめとして娘役の中で存在感を示している方でしたが、本公演での役柄に加えバウでは初のヒロインに選ばれるなど躍進されています。雪組は新たなトップコンビである望海風斗さんと真彩希帆さんの体制が盤石なので、どこかのタイミングで組替えがあるかなと思っています。

 4人目は雪組の彩みちるさん。2013年入団の99期生。

 新公:2015年『星逢一夜』泉役

    2016年『るろうに剣心』神谷薫役(本役:ともに咲妃みゆ)

 別箱:2016年東特『ドン・ジュアン』マリア役

    2017年東特『CAPTAIN NEMO-ネモ船長と秘密の島-』レティシア

 早くから抜擢されている娘役さんで、『るろうに剣心』本公演では娘役ながら弥彦を好演し、演技に秀でた方という印象です。98期生の有沙瞳さん、100期生の桜庭舞さんが星組に組替えなさる中で、このまま雪組でキャリアを積んでいかれるのかなと個人的には予想しています。

 5人目は宙組の遥羽ららさん。2012年入団の98期生。

 新公:2016年『Shakespeare-空に満つるは、尽きせぬ言の葉-』アン・ハサウェイ

    2017年『王妃の館』桜井玲子役(本役:ともに実咲凜音)

 別箱:2018年『不滅の棘』フリーダ役

 綺麗で美人な娘役が揃う印象の宙組娘役の中で、キュートで愛らしい魅力を持った方という印象です。実咲凜音さんがトップ娘役でいられる間、伶美うららさんとともに本公演、新人公演を支え着実に経験を積んでこられましたが、100期生である星風まどかさんの抜擢が続き実咲さんの後任としてトップに就任、そして同じく100期生の天彩峰里さんが星組から組替えで来られるという、なんともタイミングに恵まれない不遇さが…。宙組は生え抜きのトップが男役にも娘役にもいなかったというところで、男役娘役通じて初の生え抜きトップかなと思っていたんですが、勢いと歌唱力に秀でた星風さんが抜擢されたというところなのでしょうか。個人的に遥羽さんの舞台での立ち振舞いや雰囲気が好きだったんですが、組替えか、はたまた卒業されるのかなといらぬ想像を膨らませてしまいます。

 この5人以外でも、先述した小桜ほのかさんや言及していない若手の娘役さんにも組替えの可能性はあると思いますし、正直まったく予想できません。実際私は華雪さんや桜庭さんの組替えは全然考えていませんでしたし、何度も言うようですが芹香さんの組替えに至っては本当に衝撃的でした。

 愛希さんの後任は誰か、という話だったのにだんだん次に組替えされる娘役は誰か?という話になってしまいました。個人的には、月組次期トップ娘役は海乃さんか美園さんだと思います。

 

 さて、軽い気持ちで人事はどうなるかなーなんて書き始めた今回の記事ですが、気づいたらえげつない分量になりました。ただ、これだけ予想しても宝塚の人事はいつも想像を超えてきます。一ファンとしては劇団の発表を待ち、一喜一憂するしかありません。贔屓が別の組に行ったり、トップになったり、卒業したり…。この移り変わりが宝塚歌劇団の本質でもあり、魅力でもあるのですが。

 この長文をここまで読んでいただいた方には感謝の気持ちしかありません。ありがとうございました。