感情の揺れ方

それでも笑っていたい

映画評:X-ミッション

 

 お久しぶりです。今年2回目の本来の更新です。色々と観たい作品はあったんですが、いかんせん機会とお金がなく。

 さて、今回はX-ミッションを観てきました。エクストリームスポーツが題材になっている作品ですね。僕はわりとその類のスポーツが好きなので前々から気になっていました。

 主人公のジョニーは無謀なチャレンジでお金を稼いでいた元スタントマン。チャレンジ途中での友人の死に責任を感じスタントから身を引き、FBIに身を置いています。この時点でちょっとツッコミたいですが、先に進みましょう。

 彼は世間を騒がす一連の事件がエクストリームスポーツトップランナーであるボーディの率いる犯罪集団によるものであることを突き止め、その組織に潜入します。

 その過程でジョニーはだんだんボーディに惹かれていくんですが、そこにあまり共感できないんですよね。おそらく彼をある種のカリスマとして描くことでジョニーの陶酔にある種の真実味を持たせようとしていると思うんですが、ボーディの言葉はどことなく薄っぺらくて。ボーディ一味はエクストリームスポーツによる無謀な挑戦によって環境保護を訴え、ときには非合法の手段を取る過激派集団です。そのなかで仲間が死ぬことももちろんあるんですが、ボーディはそれに対して自己責任だと言い捨てます。そこが個人的にはあまりカッコよく映らなかったんですよねぇ。

 あと、エクストリームスポーツに傾倒する者が自然保護を主張するのは理解できるしそれが過激化してしまうのも自然なことだと思います。でも、ボーディのそれは師匠のような存在であったオザキ・オノが自然をないがしろにする人間たちに殺されたことに対する復讐のように見える。一方でジョニーがエクストリームスポーツをするのは全く違う理由だと思えて、実際彼は自分が例えばスノーボードで山を下るのは出自に関係がある言っています。

 このジョニーとボーディの対比があまり上手く行われているとは言えないような感じがもやもやしました。根本的な対比はおもしろいので、余計に。

 ただエクストリームスポーツをやっているときの映像はすごいです。これがCGなしかと。

 エクストリームスポーツが好きな人は楽しめると思いますよ!