感情の揺れ方

それでも笑っていたい

映画評: 傷物語 Ⅰ鉄血編  ※ネタバレあり

 

 お久しぶりです。明けましておめでとうございます。今見たら去年は結局3回しか更新してないんですね。今年はもっと更新します。するかもしれない。

 

 さて、2015年最初は傷物語です。僕は原作のファンで、アニメも中学生のころから見ています。そういうファンの視点からいえば、とても楽しめる作品でした。これぞ化物語の前日譚というか。

 というのも、ここから化物語が始まるんだなという雰囲気に満ちていたからです。本当に文字通りの意味でただに人間だった阿良々木くんが吸血鬼と出会うストーリーなので、その物語の始まりを、つまりはすべての始まりをどう描くのかという問題に対して、新房監督はテレビシリーズ以上の濃度でこの世界をファンタジックに染め上げるという回答を出したのです。

 それも、過度に不自然で、過度に不必要な演出を用いて。とても短い映画なのですが、下手な例えを使うならばロンググラスに水とカルピスの原液を交互に注いだものを飲んでいるような感じです。薄い、濃いの繰り返し。簡素な部分はとことん簡素に描きながらも、濃い部分は不必要なまでに濃く描いています。高校前でクラッシュするクラシックカー、ヨーロッパ現代建築のような地下鉄駅、塾跡地。過度な演出による不自然さがすべてをファンタジーに包み込まれていきます。

 

ストーリーですが、全く始まりません。びっくりするくらい始まりません。

 

そして羽川と忍野が最高です。

 

ためていた半券を見返すと去年は映画自体は多く観ていたので、今年はちゃんとここに反映させたいと思います。