感情の揺れ方

それでも笑っていたい

映画評:心が叫びたがってるんだ ※ネタバレあり

 誰だわりと定期的に更新するとかほざいていたやつは。あやうく半年経ってしまうところじゃないか。

 言い訳をすると、それなりに観劇はしていたんですが文章にして残したいほど感情を動かされるようなものに出会えておらず、ざっくりいうと書くのがめんどくさかったのです。はい。

 

 さて、今回は『心が叫びたがってるんだ』です。映画です。『あの日見た花の名前を僕たちはまだ知らない』の制作陣が集まったという話題作。

 あぁ、青春って残酷なものだよなということを思い出させてくれるような作品でした。ヒロイン的立ち位置の成瀬順は自分のおしゃべりと口の軽さが原因で両親が離婚した経験から喋れなくなってしまった女の子。この作品にはそういうような、家庭や人間関係に問題を抱えた少年少女が出てきます。

 青春の惨酷さがどこに現れているのか。それは、各々が抱える葛藤の原因が各々の努力によってのみ解決されるというところです。

 成瀬順が自らにかけた”しゃべらない”というおまじないが彼女自身を救うことは決してなかった。自分でしゃべり、歌うことで前に進むことができた。

 坂上拓実はピアノに再び向かい合うことで。

 仁藤菜月は坂上拓実に向かい合うことで。

 田崎大樹は野球と野球部に向かい合うことで。

 救いは自らの中にしかないんだということをこちらに叩きつけてくるようなストーリーでした。個人的には成瀬順と坂上拓実がくっつくようなことにならないところがとてもよくて。しゃべれないことがプラスになるっていう描写が無いんですよね。

 

 1つ言うなら、劇中劇では登場人物たちが歌っていたのにエンディングで唐突に乃木坂の曲が流れるのでぽかーんとなります。いやいい曲なんですけど。