感情の揺れ方

それでも笑っていたい

週間日記(2021/3/22~3/28)

 3/22(月):寒い。花冷えというやつだろうか。先週末の暖かさからは一転して、ヒーターを付けなければならないような寒さだった。ぼんやりと起きて、TVerでバラエティを見る。まずは「あちこちオードリー」。錦鯉のふたりには長く活躍して欲しい。まさのりさんがどうなるか分からないけれど。オードリー・若林さんの言った「今はまだ渡辺さんのターンじゃない」という言葉、M-1でブレイクしてからしばらくは相方の春日ばかりフィーチャーされていた若林さんでなければ出てこないと思う。個人的にだが、ヤバいのはまさのりさんではなく渡辺さんじゃないかと疑っている。「春日はヤバい」から「若林はヤバい」に変わり、「ヤバいやつとヤバいやつのコンビ」に落ち着いたオードリーがいるので、なんとも言えないけれど。次は「シタランドTV」。先週からゲストがガラッと変わり、オアシズ・大久保や平成ノブシコブシ・吉村などのベテラン陣が加わった。設楽さんがいじられる場面も多く、面白かった。ただ、今週の放送で最終回となる。悲しい。先週の試験はやっぱり鬼が出た。うーむ。なんとなく分かっていたけれど、それでも落胆はする。上京計画、一時凍結。予備電源に切り替える必要がある。ただ、そんなものはない。とりあえず車に乗って、ディーラーへ向かった。今日はタイヤ交換を頼んでいる。無料のコーヒーを飲みつつ、ひたすら考え事をしながら待つ。だいたい30分くらいで終わった。行き帰りの車内ではひたすら宇多田ヒカルを流す。「初めてあなたを見た」「あの日動き出した歯車」「止められない喪失の予感」。途中でジャンプを買い、だいたいお昼くらいに帰宅。金曜日にカード会社から入っていた不在着信を、ようやく折り返した。昨日、一昨日も電話をかけたのだが、案の定繋がらなかったのだ。そもそも金曜日にちゃんと出て入ればよかったとか、そういう話はなしの方向で。結論から言うと、クレジットカードを不正利用されていた。踏んだり蹴ったり、泣きっ面に蜂。なんかこう、良いことがないな。祈りが足りないのだろうか。幸い被害が出る前にカード会社が止めてくれたので、どうにかなった。ただカードは再発行しなければならないし、各種サブスクリプションの支払い設定を変更する必要もある。ムカつくなぁ。その後は家のことをした。「ハライチのターン」を聞きながら掃除機をかけたり、洗濯物をしたり。ゲストの満島ひかりさんがめちゃくちゃパワフルで、良かった。カットされたであろう部分がめちゃくちゃ気になる。午後はたまっている『おちょやん』を見ながら作業をした。ようやく千代と一平が結婚するところに到達。千代と弟と歩んだ道の隔たりに、『罪の声』を思い出したり。夜はぼんやりと過ごす。もうすこし作業をしてから眠りたい。

 

 3/23(火):あたたかいのか、寒いのか。よく分からない。なぜなら…今日は外に出ていないから。とは言っても窓を開けたら普通に寒かったので、昨日とあまり変わらなかったのだと思う。午前中はほとんど何もしないままに終わってしまった。ダメダメだ。朝ご飯を食べながら、録画していた「金スマ ハライチスペシャル」を見たくらい。待ちに待たされたハライチ登場時の澤部がキレッキレで最高。「緊張委縮委縮」というキラーフレーズ。結成15周年ということでハライチの歴史を振り返るという企画だったのだが、テレビに出始めのころからずっと澤部が面白い。朝の情報番組で「巨人ファン」といううっすらしたウソをつき続けていた、岩井以上のサイコエピソード。その後に30分くらい寝てから作業を始めようと思ってベッドに入ったら、いつの間にか午前中が終わっていた。怖いなぁ。春眠暁を覚えず。暁なんて時間帯ではない。目が覚めて、これはやってしまいましたねと思いながらコーヒーを入れて、PCをカタカタと叩き始める。上京計画が一時凍結してしまったので、今やれることと言えばとにかくインプットとアウトプットしかない。見て書いて見て書いて。目より先に手が肥えることはない。今日も今日とて、溜まっている『おちょやん』を見ながら作業をする。板尾創路の存在感ったらない。第14週「兄弟喧嘩」の劇中劇が普通に面白かったので、あれを一本丸々見せて欲しい。第15週も続けて見たけれど、好みではなかったのでノーコメント。だいたい2時間で、土曜日に観た星組公演『ロミオとジュリエット』のエントリーを書きあげた。2時間もかかったわりに、そこまで長くない。かかった時間と文章の長さが比例する必要はどこにもないけれど。その後は高校野球をBGMの代わりにしながら、小説を書いた。久しぶりに。2020年は結局ほとんど生み出すことが出来なかったけれど、2021年はコンスタントに色々なものを創りたいと思います。夜は「火曜サプライズ」の最終回と「マツコの知らない世界スペシャル。「火サプ」は大泉洋松岡茉優の映画宣伝コンビとウエンツ瑛士友達枠の小栗旬が出演している部分まで見て、チャンネルを替えた。「火曜サプライズ」はウエンツ瑛士が留学に行ってからの番組内容の変化がものすごくうけつけなくて、新型感染症とは関係なく、終わるべくして終わった長寿番組だと思う。「マツコ」は久しぶりに新しく収録されたもの。めちゃくちゃラーメンが食べたくなった。寝る前にもうすこし作業をしたい。

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  3/24(水):暖かったような気がする。今日も外には出なかった。ダメな生活。ぼんやりと起きて、ぼんやりと朝ご飯を食べる。TVerで「かまいたちの知らんけど」を見ながら。おいでやす小田のエピソードトークに卑猥な合いの手を入れるこがけんのくだりがめちゃくちゃ面白かった。こがけんさん、まだまだ面白くなるような気がする。その後はぼちぼちと作業をする。BGMの代わりに、録画してから見るタイミングを逃し続けていた「水曜どうでしょう 2020」を流す。7週分を一気に見る。今回はかつての「ヨーロッパ完全制覇の旅で」唯一到達することが出来なかったアイルランドを目的地に、大泉洋・ミスター・藤村D嬉野雅道の4人だけで旅をするという、初心に戻った形の企画。新千歳から飛行機に乗るまですらグダグダ、大泉洋はぼやき続けるという最高の出発。語弊はあるけれど、片手間で見るにはうってつけのテレビ番組だ。ヨーロッパに行きたいなぁ。ロンドンで博物館を周ったり、プラハの街を散策したり。夢のまた夢になってしまった。悲しいなぁ。カタカタとキーボードを叩き、今日もエントリーをひとつ書いた。思ったより時間がかかる。いまひとつ集中力が上がってこない。ナイフのような思考回路……。最近は番組改編期なので、いつも見ている番組が放送されていない。なんとなく見ていた特番が「山手線駅近ラーメン制覇」という3時間を番組で、東京以外の視聴者を全捨てする姿勢は大胆だなと思った。途中でチャンネルを変えて、BSで「刑事コロンボ」を見る。新シリーズになってからというもの、セクシーなサービスシーンが多い。今週はコロンボがヘリに乗ったりしていて、作品に新たな趣向を加えようとしているのが分かる。それが良いか悪いかは別として。

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 3/25(木):あたたかいような、寒いような。服装が難しい。風は冷たい。ぼんやりと朝ご飯を食べながら「スッキリ」を見ていたら、水卜アナウンサーとハリセンボン・近藤春菜の番組卒業企画だった。卒業記念サプライズライブと称し、二人には内緒で東京スカパラダイスオーケストラ田島貴男森山直太朗による生ライブが行われていた。いや、メンバー。どんなメンバー。平日午前ワイドショーに出るような人たちじゃないでしょ。土曜深夜30分音楽番組のメンバーだよ。田島貴男の「接吻」がエロすぎて大変でした。「スッキリ」を最後まで見てから外出する。車に乗ってイオンモールへ。お昼ご飯を食べるため、途中で「ラーメンひばり」に寄る。久々。雨が降っていたせいか、開店の5分前に到着してけれど、一組目の客になった。普段ならもう列が出来ているのに。油そばと悩んだ末に「まろやか」を注文。めちゃくちゃ美味しかった。イオンモールではぶらぶらと買い物をする。書店に行ったり。買おうかなぁと思ったピアスがあったものの、買わなかった。どんな話だ。ただ、次に行ったときもあったら買うような気がする。最近そういうことが多い。ちょっと前に買ったリュックしかり。カルディに行ったけれど、最近気になっている「ラクサラーメン」は売っていなかった。売り切れていて、「次回入荷4月中旬」という札が貼ってあった。そんなに?そんなに人気なことある?すこし前からブームになっているマリトッツォは冷凍庫でギチギチになっていた。カルディの人気商品である「切り落とし生ハム」を手に取っている女性に夫とみられる男性が「ちゃんとした生ハムの方が美味しいよ」と話しかけていたので、なんとなく聞き耳を立てていたら「うちの生ハムは前からこれですけど」と冷たく返されていた。あのときの、二人の顔。「口は災いのもと」ってここから生まれたのかな。例え夫婦でも下手なことは言うものじゃありません。夕方くらいに帰宅して、そこから夜までは作業。「バナナムーン」を聞きながら。前回のホワイトデースペシャルの反省会みたいな内容だった。「商品名、企業名を出したうえでそのお返しを馬鹿にしてけなしあっていたけれど、こっちはラジオショーでやってるんだからそっちも分かってくれないと困る」みたいな話をしていて、それは分かってるけど演者側が舞台の上でそれ言ったら終わりじゃないかなと思った。そんな裏側の構造の話されても、というか。最近のバラエティというかお笑いはちょっと構造やテクニックの話をしすぎるきらいがある。「裏回し」とか「天丼」とか、そういう用語が市民権を得ることのメリットって、なんなんだろう。

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まろやか。

  3/26(金):あたたかい。天気も良い。その代わりに花粉と黄砂がえげつなくて、くしゃみが止まらなかった。スギとヒノキには身の振り方を考えておいて欲しい。特にスギ。ヒノキはまぁなんというか、浴槽という就職先があるので。ぼんやりと起きて、今日もなんとなく「スッキリ」を見る。水卜アナウンサーとハリセンボン・春菜の出演は今日で最後だった。春菜唯一の心残りである「加藤浩次チャック事件」のくだりがめちゃくちゃくだらなくて、深夜帯の尖ったバラエティみたいでめちゃくちゃ面白かった。昨年の生放送中に「加藤浩次のズボンのチャックが開いている」というメールが視聴者から入ったという事件があって、もう二度とそんなことが起こらないようにチャックを自動で上げる機械を開発しようという流れ。もうちょっと早い時間から行動しようと思っていたのに、あんまりくだらないので最後まで見てしまった。こういう日もある。二人の卒業を見届けてから、車に乗って外出。近所のいつも使っている洗車場へ。春先はすこし乗るだけでめちゃくちゃ車が汚れてしまい、自ずと洗車の回数も増える。今月いっぱいは機械式洗車の一番高いコースがキャンペーンで安くなっていて、その影響なのか平日の昼間でもそれなりに混雑していた。平日昼間の洗車場に流れる、特有の空気感。嫌いじゃないです。全員黙々と車を綺麗にする、あの感じ。だいたい一時間くらいで洗車を終わらせて、どこに寄るでもなくそのまま帰宅。録画していたバラエティを見ながら作業をする。まずは先週放送分の「水曜日のダウンタウン」。「東大王」とのコラボ企画で、特定のルール下なら芸人でも東大生に勝てるんじゃないかという内容。詳細はもう省くけれど、安田大サーカス・団長の異常性が際立っていて、怖かった。あとはやはり、オードリー・春日の常軌を逸した忍耐力。その次は、今週放送分の「水曜日のダウンタウン」。もう一気に見てしまおうという魂胆だった。「30-1グランプリ」と称し、複数のお笑い芸人が30秒のネタで勝負する企画。優勝していたニッポンの社長が一番好きだった。次にななまがり。「こいつ、結婚している」というオチが大好き。モザイク処理の末エキシビション扱いになったどぶろっくが一体何をやったのかがものすごく気になる。プロ野球が開幕した。我が横浜ベイスターズは最高の負け方をしていて、そうそうこういうやつこういうやつAクラスに入っているのが異常だったんだと改めて思った。頑張れベイスターズ

 

 3/27(土):魔境。現代日本における魔境を挙げるなら、「宝塚インター」はそのひとつに確実に入ってくるだろう。今日は先週に引き続き、宝塚大劇場で『ロミオとジュリエット』のマチネを観劇する予定が入っていたので、いつもの土曜日よりは早めに起き車に乗って家を出た。名神高速道路から京滋バイパスを経由して中国自動車道宝塚ICを目指す、というのがいつも通りの道のりになっているのだが、今週も宝塚IC手前で事故渋滞があった。どうしてこう、同じ場所で事故が起こるのか。車線規制の影響で地獄のような渋滞があり、開演時間がどんどん近づいてくるという、これまた地獄の精神状態。渋滞を抜けたのが10:45くらいで、宝塚大劇場北駐車場に車を停めたのが10:50。急いで検温と消毒を済ませ、チケットを発券し、開演ギリギリで着席。観劇に来る現役ジェンヌみたいなタイミングで座ってしまった。先週はB日程の配役、今週はA日程の配役。ティボルトやマーキューシオ、ベンヴォーリオの配役が代わっていて、二回目ということもあり、さまざまな発見があって良かった。ティボルトは叔母から渡された愛の花を投げ返してしまうけれど、ロミオはジュリエットから渡された愛の花をしっかり受け取っているのだがとか、プロローグの場面で愛しあっていたモンタギューとキャピュレットの若者は「ありうべきロミオとジュリエット」だったのだなぁとか。桜庭舞さんと華雪りらさんは舞台に立っていると目を引く可憐さがあるなぁとか。舞空瞳さんは先週より背が縮んでるし歌が上手くなっていた。末恐ろしい。観劇後は特に何もせず、花の道へ向かう。あぁ、幕が下りると何倍もつらい。お昼ご飯を食べるため、久しぶりに「パスタ」へ。「パスタ」という名前のお店でパスタを食べる。タラコイカパスタ。半分食べ終えるくらいまでは「大盛りにすればよかったかな」と思うけれど、残り3分の1になるとあぁ大盛りにしなくてよかったなとなる、それくらいのボリューム感。その後は桜の写真を撮ってから帰路に。

帰り道は平和だった。高速道路自体は平和だったけれど、正面の遠くに見える黒雲が、よくみたらものすごい規模の火事だった。帰宅してから調べてみると、段ボール工場で火事があったらしい。けが人はいないとのことだったので、すこし安心した。夕方から夜まではすこし作業をして、夜からまた出かけた。友人と集合して、近所の焼肉店で食事。楽しかったし美味しかった。結構お酒も飲んでしまったので、帰宅してお風呂に入って、そのまま寝た。

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肉!

 3/28(日):天気が悪い。今日はずっと雨が降ったりやんだりしている。ここ最近の週末はあまり天気に恵まれていない。そんななか、午前中から外出。祖母のお墓参りに行った。お彼岸でもないのに申し訳ないなと思っていたけれど、行ってみると他の家族も結構多かった。お墓参りなんていつ行ってもいいものですからね。シンプルな四角い立方体が等間隔に丘の向こうまで視界をびっしりと埋め尽くしている光景は、何度見ても「エヴァじゃん」と思ってしまう。もしくは「チェンソーマンじゃん」。だいたいお昼過ぎに帰宅して、午後からは作業をしたり、寝たり。TVerでバラエティ番組を見ながらぼちぼちと。いつの間にか日曜日になっていたので、慌てて先週分の「シンパイ賞」と「テレビ千鳥」を再生した。「シンパイ賞」は昨年から休業に入っていたかが屋・加賀の復帰スペシャル。賀屋のダダすべり映像が二回も放送されていて、ちょっと可哀想だった。加賀さんの復帰はとても嬉しい。最後に見せていたコントも大好きなやつだった。「テレビ千鳥」は顔面テープ選手権の第二回。最後に登場した今田耕司がすべてを持っていったけれど、ちょいちょい聞こえてくる小島瑠璃子のガヤがあまり好きではなくて、どうしても「有吉の壁」を思い出してしまう。30分くらい寝たら、変な夢を見た。一度もやったことないのにふらふらとパチンコ店へ入り、やり方が分からないのに適当な台に座ってお金を入れたらパチンコ玉に交じってグリンピースが出てきて、「これじゃあ中で潰れちゃうよ」と思う夢。自分がずっと冷静なのも面白かった。今日の夜は「せっかくグルメ」も「イッテQ」も放送していなかったので、TBSのお笑い特番「ベスト1」を見ていた。ショートネタのコーナーに登場した怪奇!YesどんぐりRPGがいつも通りの彼らで、最高。今週は久しぶりにいくつかのエントリーを書けたので、上々だったような気がする。自分のコンディションも上げていきましょう。

 

2010年代宝塚歌劇オリジナル作品お芝居5選&ショー10選

 2020年、新型感染症の流行が拡大し、宝塚歌劇はもちろん演劇界全体が大きな影響を受けました。披露されることのなかった演目の数たるや、もはや想像することも出来ません。エンターテインメントが停滞した年。それが2020年でした。劇場に足を運ぶことが不可能になった状態で出来ることと言えば、映像作品を楽しむことくらいしかありません。そこでこのエントリーでは、宝塚歌劇のオリジナル作品に照準を絞り、個人的に大好きなお芝居を5作品とショーを10作品紹介したいと思います。「お芝居」を「オリジナル作品」に絞ったのは、「宝塚歌劇の強みはオリジナル作品にある」と私が考えているからです。スターシステムにのっとった、「誰が演じるのか」に重きを置いた劇団運営には…この話はこれくらいにしておきましょう。要するに、「お芝居」の「オリジナル作品」は「原作なしの完全オリジナル作品」ということです。そしてあくまで「5選」「10選」であって、ベスト5ではありません。選出された作品に順位はつけていません。

 

お芝居5選

①2019年花組公演『CASANOVA』

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 花組は悩みましたが、生田大和先生作・演出のオリジナル作品である『CASANOVA』を選出しました。この作品で特徴的なのはまず宝塚には珍しい「オリジナルの一本物」であるところ。海外ミュージカルの一本物が多い中、オリジナルの一本物を上演するところに宝塚のチャレンジを感じます。詳細な感想は以下のエントリーで。

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 ②2018年月組公演『THE LAST PARTY』

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  『All for One』とどちらにするか悩みましたが、「原作なしオリジナル」というルールに鑑みた結果、本公演ではないものの月城かなとさん主演、植田景子先生作・演出の『THE LAST PARTY』を選びました。なんと言ってもスコット・フィッツジェラルドを演じる(厳密には違うけれど)月城かなとさんの演技が素晴らしい。植田先生の徹底した演出にも見ごたえがあります。こちらも詳細な感想は以下のエントリーで。

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③2015年雪組公演『星逢一夜』

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 『ひかりふる路』と悩んだ末、雪組らしいこちらの作品に。上田久美子先生の大劇場デビュー作となるこちらは、江戸中期を舞台に天野晴興(早霧せいな)と泉(咲妃みゆ)、源太(望海風斗)の三人を巡る悲しき運命を描く名作です。早霧さんの端正な表現力と咲妃さんの清廉とした佇まい、雰囲気が素晴らしく、涙なくして観ることは出来ません。

 

④2016年星組公演『桜華に舞え』

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 星組はあまり悩むことなく、この作品になりました。北翔海莉・妃海風というトップコンビの退団作品である『桜華に舞え』の作・演出は齋藤吉正先生。なんというか、自分の贔屓にはこういう作品でサヨナラして欲しいなと思わせる作品です。北翔海莉という男役の魅力を最大限に引き出すような脚本、演出は当て書きならでは。星組の男役に特有のオラオラした熱い雰囲気と幕末から明治にかけての侍たちが持っていた強い意志、野望が上手くハマっていて、特にクライマックスの桐野利秋(北翔海莉)が散っていく場面は何度観ても泣いてしまいます。詳細な感想は以下のエントリーに。

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⑤2017年宙組公演『神々の土地』

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 同じく朝夏まなとさん主演の『メランコリック・ジゴロ』とも悩みましたが、上田久美子作・演出で特徴のあるこちらの作品に。朝夏さんのサヨナラ作品であるこちらは、トップ娘役がいない状態での上演となりました。ヒロインのイリナを演じるのは同じくこの作品で退団された伶美うららさん。ミュージカルながらナンバーの数は少ないですが、そんなことが気にならないほど面白い作品です。詳細な感想は以下のエントリーで。

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ショー10選

①2012年花組公演『CONGA!!』作・演出:藤井大介

 蘭寿とむ・蘭乃はなという近年でも屈指のダンスコンビがその実力を遺憾なく発揮したラテン・ショーです。当時の花組はトップコンビを筆頭に月央和沙さんや冴月瑠那さん、華耀きらりさんなどダンスに秀でた組子が多く、その面々が1時間本当に踊り続ける様子は圧巻の一言に尽きます。

②2017年花組公演『Santé!!』作・演出:藤井大介

 花組の好きなショーを選んだら、2作品とも藤井大介先生のものになってしまいました。「ワイン」をテーマにした明日海りお・仙名彩世というトップコンビによるショーですが、やはり見どころは冒頭の場面でしょうか。芹香斗亜さんなどの男役がそれぞれワインを擬人化した女装姿で登場するのですが、詳細はこれくらいにしておきます。藤井大介先生、男役に娘役の格好をさせるのが好きな印象。

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③2012年月組公演『Misty Station』作・演出:齋藤吉正

 トップコンビ霧矢大夢蒼乃夕妃のサヨナラ公演です。龍真咲さん、明日海りおさんという男役の面々はもちろん、愛希れいかさん、咲妃みゆさんなどなど娘役もかなり豪華な顔ぶれになっています。ロケットへ続く場面には『新世紀エヴァンゲリオン』の楽曲「魂のルフラン」が使われていて、齋藤吉正先生らしい演出になっています。同じくこの公演で退団される青樹泉さんがソロで歌いながら銀橋を渡る場面は曲も相まってウルっときますね。

④2018年月組公演『BADDY』作・演出:上田久美子

 上田久美子先生が初めて手掛けるショー作品はセリフも多く、ひとつのストーリー仕立てになった珍しい作品になっています。世界平和が達成されて久しい地球に月から大悪党「BADDY」がやってくる──。そんな筋書きのこのショーで最も印象的なのは、ロケットに続く場面で愛希れいかさんが披露した「怒りのダンス」です。色々な言葉で語るより、一度見ていただいた方が速い。それくらいのパフォーマンスです。

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⑤2015年雪組公演『La Esmeralda』作・演出:齋藤吉正

 早霧せいな・咲妃みゆによる素晴らしいショーです。なんと言えばいいのか、良い意味でとても宝塚らしい、オーソドックスなショー作品。望海風斗さんの流石と言うべきパフォーマンスやまだ若い月城かなとさんの美しさ、終盤のロケットから続く、「Mambo No.8」「悲しき願い」「SUNNY」のリレーは最高の一言。そして特筆すべきは、今作で退団された透水さらささんの八面六臂の大活躍でしょうか。「コメプリマ」は名シーンです。

⑥2021年雪組公演『シルクロード』作・演出:生田大和

 望海風斗・真彩希帆の退団公演であるこちらのショーは生田大和先生による初のショー作品で、菅野よう子氏が楽曲を提供されています。二人のパフォーマンスは圧巻。特に「ダスカ」の場面は語り継がれることでしょう。多くのアニメや映画音楽を手掛けている菅野よう子氏と宝塚の親和性にも驚かされます。

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⑦2017年星組公演『Bouquet de TAKARAZUKA』作・演出:酒井澄夫

 紅ゆずる・綺咲愛里による、ナンバーが多く観ていて楽しいショー作品。宝塚レビューの伝統であるパリを舞台にした作品で、ファン歴の長い人からそうでない人まで広く楽しめる造りになっている一方、中詰めで組子が勢ぞろいする場面では、それまでの各場面で着用していた衣装のまま総踊りをするなど、斬新な演出も多くあります。東京公演の千秋楽では、紅さんがトナカイの被り物をして登場するなど、ハッピーな雰囲気です。

⑧2020年星組公演『Ray-星の光線-』作・演出:中村一

 新トップコンビ礼真琴・舞空瞳のお披露目公演となるこの作品は、それまで星組とは打って変わってダンスに重点を置いたショーになっています。踊り通し歌い通しのお二人ですが、そのパフォーマンスは若さを感じさせないほど素晴らしいものがあります。フィナーレの群舞、デュエットダンスなど、終盤になるにつれて上がる熱量には思わずため息が出るほど。

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⑨2016年宙組公演『HOT EYES!!』作・演出:藤井大介

 朝夏まなと・実咲凛音によるこのショーは男役・朝夏まなとの魅力が余すところなく発揮されていて、思わず「カッコイイ~」という心の声が外に漏れ出てしまいます。ノーブルな雰囲気とある種の「チャラさ」を兼ね備えた朝夏さんの印象的な「目」をテーマにショーは進んでいくのですが、真風涼帆さんのパフォーマンスにも素晴らしいものがあります。観ていてダレるような場面がない、宝塚らしい作品です。

⑩2019年宙組公演『アクアヴィーテ!!~生命の水~』作・演出:藤井大介

 こちらも藤井大介先生による、真風涼帆・星風まどか率いる宙組のショー。印象的なのは、この作品で退団された実羚淳さんがバレエを披露した場面でしょうか。当時の宙組でも屈指のダンサーが見せたパフォーマンスは素晴らしいの一言。観劇したときの衝撃を今でも覚えています。男役の和希そらさんが娘役姿で見せたパフォーマンスも記憶に残っています。

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 いかがでしたでしょうか。完全の個人の好みで選んだ15作品ですが、CSのスカイステージで放送されることも多いので、よければ是非ご覧ください。宝塚の醍醐味はやはり劇場での観劇かとは思いますが、映像で見ると劇場では目につかないようなことにも気づくことが出来ますので、このようなご時勢をきっかけにみなさんが新たな楽しみ方と出会っていただければ、一ファンとしては嬉しく思います。

 

感想:星組公演『ロミオとジュリエット』

 ミュージカル『ロミオとジュリエット』が、礼真琴・舞空瞳率いる星組によって宝塚の舞台に帰ってきた。シェイクスピアの名作『ロミオとジュリエット』をジェラール・プレスギュルヴィック氏が新たにミュージカル化したこの作品の日本初演が2010年。それから数度の再演を経て、2013年の新人公演でロミオを演じた礼真琴が今度は星組トップスターとして再びロミオを演じることになった。潤色・演出は引き続き小池修一郎氏が務める一方、今回は稲葉太地氏も演出に加わっている。折からの新型感染症の影響で宝塚歌劇団は半年の公演延期を余儀なくされ、その結果小池氏が演出を担当している梅田芸術劇場公演などと日程が重なったことなどが影響しているのだろう。配役や出演人数への影響も大きい。伝統的に『ロミオとジュリエット』のメインキャストは役替わりが多いが、それだけでなく、出演者の数を絞るため若手組子はA班とB班に分けられている。今回私が観劇したのはB日程で、主な役替わり配役は以下の通り。

ティボルト…… 瀬央ゆりあ

死…… 愛月ひかる

ヴェローナ大公…… 遥斗勇帆

ベンヴォーリオ…… 綺城ひか理

パリス伯爵…… 極美慎

マーキューシオ…… 天華えま

愛…… 希沙薫

 明日海りおという準トップがいたこともあってか、前回の月組公演では主演のロミオ役も役替わりだったが、今回はティボルトなど2番手以降の配役がダブルキャスト。礼真琴・舞空瞳という若いトップコンビが率いる、若手男役の粒が揃った星組。そんな星組が挑む『ロミオとジュリエット』という大作がどうなるのか、大いに期待しながら観劇したが、その期待は裏切られた。無論、良い意味で。

 「神と人」「男と女」など、いくつものテーマを持った『ロミオとジュリエット』ではあるが、やはり一番大きなものは「憎しみと愛、死」だろう。モンタギューとキャピュレット、それぞれの家に連綿と受け継がれてきた「憎しみ」は、もはや両家の人々が背負う「宿命」になっていた。

『ここはヴェローナ いとしいヴェローナ

 生まれた時には 憎む敵がいる

 生まれる前から 終わることの無い

 争いの渦に 巻きこまれている

 ここはヴェローナ 我が街ヴェローナ

 疑う前には 既に敵がいる

 赦し愛し合う 時など来ないさ

 永遠に憎み 争う定め』

    ──「ヴェローナ」より

 

   

 受け継がれてきた「憎しみ」に立ち向かう術は、「愛」と「死」だった。ロミオとジュリエットの燃えるような愛、そして死。それがなければ、モンタギューとキャピュレットが赦し愛し合う時は来なかった。「愛」と「死」でもって「憎しみ」と戦うロミオとジュリエットを演じる礼真琴・舞空瞳のプレッシャーは想像に難くないが、若くしてトップスター、トップ娘役となった二人のパフォーマンスには素晴らしいものがあった。強い意志とパワーを持ち、『ロミオとジュリエット』という物語を突き動かしていくジュリエットを演じることは、舞空瞳にとっては大きなチャレンジだっただろう。しかし考えてみれば、そのダンス力で忘れられがちではあるが、舞空瞳という娘役が一躍脚光を浴びることになったのは2017年花組公演『ハンナのお花屋さん』におけるハンナ役で見せた演技力によって、だった。今回も純粋さ、あるいは無邪気さだけではないジュリエットのキャラクターをうまく表現していたように思う。

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舞空瞳(ジュリエット)

 対してジュリエットの強い意志を受け止める立場であるロミオ役もまた、礼真琴にとっては大きなチャレンジだっただろう。物語を通してジュリエットは神にすら抗おうとするが、名ナンバー「僕は怖い」やマーキューシオとティボルトの死の場面に代表されるように、ロミオはどこか浮世離れして現実感がない。トップスターとして、組の中心としてそういう役を演じることには、また違った種類の難しさがあっただろう。しかしそこは礼真琴と言ったところで、男役として新たな一面を見せていた。新人公演での主演経験が活きたのかもしれない。ロミオとジュリエットという若いふたりの在り方が、礼真琴・舞空瞳というトップコンビのこれからにオーバーラップしているようで、頼もしさすら感じた。

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礼真琴(ロミオ)

 ここからは、個々の出演者にフォーカスを合わせていきたい。ティボルトを演じた瀬央ゆりあ、「死」を演じた愛月ひかる、ベンヴォーリオを演じた綺城ひか理、それぞれのパフォーマンスは素晴らしかった。男役陣の中で大きな成長を感じたのは、マーキューシオを演じた天華えま。シェイクスピアの残した美しいセリフの数々を上手く、的確に、なおかつキャラクターの持ち味を殺すことなく表現していて、一皮も二皮も剥けたなと思わせるパフォーマンスだった。ヴェローナ大公を演じた遥斗勇帆にも言及しなければならない。彼の歌唱力には以前から定評があったが、『THE SCARLET PIMPERNEL』新人公演でのショーヴラン以来の大役に今持てるすべての力を注ぎこんでいるような印象だった。今作をきっかけに、大きく成長して欲しい。「愛」を演じた希沙薫のダンスもしなかやで、印象に残る。しかしなんと言っても、乳母を演じた有沙瞳に言及しなければならないだろう。それほどに彼女のパフォーマンスは素晴らしかった。美城れん、美穂圭子など、専科の錚々たる顔ぶれが演じてきた乳母、そして「彼女はあなたを愛している」という名曲の歴史に、確かな一ページが加えられた。

 組全体として充実のときを迎えている星組。一体これからどんな作品を見せてくれるのか、期待が高まって仕方ない。

 

週間日記(2021/3/15~3/21)

 3/15(月):花粉が酷い。花粉と黄砂のダブルパンチで、目と喉の調子が悪い。ぼんやり起きて、朝ご飯を食べながら録画していた「水曜日のダウンタウン」を見る。2時間スペシャル。「誰もやったことがないモノマネグランプリ」と「CMホントドッキリ」の二本立て。「モノマネ」の方は集められたモノマネ芸人たちがその場で提示された人物のモノマネで勝負をするという企画で、「モノマネ勝負」の新たな一面を示していた。原口あきまさの「新ネタ勝負だって言って古いネタ持ってくる芸人だっているんですよ」という言葉が印象的。一発目のお題が「土井善晴」で、どうしても大泉洋が頭に浮かんで離れなかった。ドッキリの方は以前三四郎・小宮がかけられていた、明らかにそれと分かる杜撰なドッキリが本当はドッキリじゃないという、ドッキリの最先端をいく企画。コカ・コーラの人気チューハイ「檸檬堂」のCM出演をかけ、めちゃくちゃCM撮影に対して最後までツッコミを入れなかった芸人が出演権を手に入れるという流れだったが、最終的に空気階段・もぐらが権利を獲得。社員が「檸檬」を読めなかったり、スタッフが休憩中にアルコールを摂取したりとめちゃくちゃ状況に最後までツッコミを入れないのが逆に面白かった。今日は午前中から外出。スーツにネクタイを締めるのは久々で、すこし手こずった。スーツにネクタイ、一番好きな格好ではあるのだが、いかんせん私服で通すには大義名分が少ない。あと快適に着られる期間が明らかに短い。四季の国、日本。昨日買ったリュックを早速背負い、電車に乗って京都駅へ。まだ時間があったので、なんとなく八条口をぶらぶらする。時勢の影響を受けてか、いくつかのお店はなくなっていたし、テイクアウトなどの店頭販売だけに絞っているお店もあった。1年経とうが、あるいは何年経とうが、そういう悲しみは消えないだろう。飲み物を買い、新幹線に乗り込む。目的は東京。不要不急の外出かもしれないが、それはそれとして。新幹線の改札内はもちろん、車内にも人は少ない。東海道新幹線といえば、平日の昼間でも一列丸々空いているなんてことはなかったけれど。東京までの道のりは、『シン・エヴァンゲリオン』の感想を色々と読み漁って過ごした。いつの間にか東京駅に到着。八重洲口からすぐのホテルを取っていたので、そのままチェックイン。夕食は適当に済ませて部屋でゆっくりしていたが、緊急事態宣言下の東京に興味があって、20時になるのを待ち、ふらふらと部屋を出る。東京駅に周辺は繫華街というよりもオフィス街で、本当に閑散としていた。営業している飲食店はない。買い物が出来るのはコンビニくらいだった。人がいない、イベントもない、分断された東京。色々なことを思いながら、ホテルに戻り、早々にベッドに入った。

 

 3/16(火):早めに起床。数日前からアラームを宇多田ヒカルの「Beautiful World」に設定しているのだが、まだ慣れていないのですこしパニックになる。無意識にアラームを止めることがないので、逆に良いのかもしれない。ぼんやりした頭で朝食バイキングの会場に向かう。サラリーマンが多い。どうしても行かなければならない出張もある。頭が上がらない。朝のバイキングにあるカレー特有の魅力に惹きつけられながらも、なんとか我慢して甘いパンとコーヒーで朝食を済ませた。今日はあまり食欲がない。そして、食べ過ぎるのも良くない日。ホテルを出て、目的地までの電車に乗る。今日は試験。こんなギリギリに入学選抜試験ってあるんだと、私も思っています。試験はぼちぼち、面接はまぁまぁ。正直手ごたえはないので、鬼が出るような気がする。自分の畑を耕す日々に戻るしかない。戻るしかないというか、自分の畑を耕す必要がない日なんてない。初心が大事。やっていくしかない。お昼過ぎに試験が終わったので、とりあえず東京駅まで戻る。お腹が空いていたので、ダメもとでKITTEに入っている回転寿司「根室花まる」へ行ってみたら普通に入れた。一年前や二年前に訪れたときは、とてもじゃないが待っていられるような状態ではなかった。嬉しかったけれど、すこし悲しくもあった。しかし、そんな感傷も吹き飛ばしてしまうほどお寿司が美味しい。お腹が空いていたとはいえ、予定していたよりも食べてしまった。美味しいものを食べて精神の均衡を図るの、大事です。初心くらい大事。やはり閑散としたKITTEを出て、東京駅へ。頼まれていたお土産をいくつか買って、新幹線に乗り込む。車内ではTVerを見て過ごした。「あちこちオードリー」「かまいたちの知らんけど」「ゴッドタン」。新幹線の車内Wi-Fi、30分で自動的に切れるのどうにかなりませんかね。おいでやすこが、錦鯉といった昨年のM-1ファイナリストたちの大活躍たるや。錦鯉の二人が第七世代と同じようなスケジュールで働いているの、普通に心配になる。私の親世代ですからね、まさのりさん。日が沈むくらいに帰宅。気持ちが切れないうちに、洗濯物をする。シャツ、ついでにマウンテンパーカーの手洗い。渇くのを待ちながら、帰宅途中で買ったジャンプを読む。やっぱり『呪術廻戦』。頑張れお兄ちゃん、怖いよ乙骨先輩。夜は『青のSP』最終回を見た。ここ最近の明日海りおさん、大活躍。M-1ファイナリストと元花組トップスターを並べている日記、これくらいじゃないかな。

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筋子醤油漬け

 

 3/17(水):今日も花粉がひどい。今週はちょっともう目のかゆみがすごい。東京に行ったことも影響しているのだろうか。とにかく目がかゆい。ヒノキも飛び始めているし、早く花粉症に苦しめられない世界になって欲しい。今日はぼんやりと起きた。午前中はとりあえず掃除機をかけるところから始まった。そういえば先週放送分の「バナナムーン」はホワイトデースペシャルで、男性出演者が持ち寄ったホワイトデーのお返しの中でどれが一番ダサいかを決めるという、毎年恒例の内容だった。なんというか、そろそろこういうのやめませんかみたいな気持ちが勝ってしまって、あまり楽しめなかった。たぶんだけど、去年も同じようなことを書いていると思う。家のことを済ませたら、適当な服に着替えて、散歩がてら外に出る。気温はぼちぼち。分厚いパーカー一枚で外に出たけれど、陽向を歩く分には問題がないくらいの気候だった。途中で100円ショップに寄って、額を買う。額装しておきたいものが出てきたという、当たり前の理由。近所を何も考えずにぶらぶら歩いていると、なんとなく気分が良くなってきた。最近は本当に調子が悪い。色々とやっていかなければならないのに。帰宅して、30分くらい仮眠を取ってから、午後はずっと作業をしていた。そろそろHDを圧迫し始めている「おちょやん」をBGMの代わりに流しながら。高峰ルリ子を演じる明日海りおさんが良い。絶妙な存在感。途中で「あたたかくて甘いものが飲みたいけれど、コーヒーの気分ではない」みたいな状態になってしまい、悩んだ末に紅茶を淹れて、そこにオレンジジュースを足してみた。出たとこ勝負にしてはうまく出来た気がするけれど、まだ正解があるようなクオリティ。試行錯誤の気配がする。手作りドリンクのレパートリー、夏のコーヒーコーラ、冬のオレンジティー。ただ。シンプルにオレンジジュースを温めるだけでも美味しい。ホッとする味がする。夕方くらいに宝塚から衝撃的なニュースが入った。専科の轟悠さんが退団されるという。こう、ずっといらっしゃるものだとばかり思っていた。現代宝塚を象徴する存在で、退団される影響は計り知れないものがあるだろう。衝撃が強く、どんなコメントをすればいいか分からない。昨日は星蘭ひとみさんが結婚するニュースもあったし、宝塚歌劇周辺が落ち着かない。夜は「有吉の壁」を見たり、「刑事コロンボ」を見たり。新シリーズに入ってからのコロンボは演出に工夫があって面白い場面もあるのだが、お色気シーンみたいなものも多くて、ちょっとどうかなと思ったりする。『シン・エヴァンゲリオン』のエントリーをようやく書いたので、今日は早めに寝たい。ものすごく当たり障りのない内容になってしまったので、すこし反省している。

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  3/18(木):今日は過ごしやすい一日だった。ぼんやりと起きて、午前中から車に乗って出かける。日差しが気持ちいい。気持ちいいというか、むしろちょっと暑い。マウンテンパーカーを着ながら運転していたら汗をかくくらいだった。車内での服装、めちゃくちゃ難しい。目的地はピエリ守山。久しぶりの岩盤浴。人出はまぁまぁという感じ。こういうご時勢の感染対策で、ロッカーの鍵は使うたびに回収されていたのだが、今日行ってみたら「抗菌加工が終了した」とのことで、以前のスタイルに戻っていた。いや本当に?と思わないこともないけれど、そこを気にするならそもそも銭湯に行くなよという話なので、個人的にはセーフ。一回目の入浴でちょっと寝てしまって、命の危機を感じた。変な夢を見たような気もする。休憩スペースでは『ブルーピリオド』の最新巻を読んだ。めちゃくちゃ面白い漫画こと『ブルーピリオド』。大浴場にも人影はまばら。正午くらいに銭湯を出て、まずピエリ守山のバーガーキングでお昼ご飯を食べた。ピエリのバーガーキングは平日の昼間でも結構混んでいて、注文の列も長い。初めてダブルチーズバーガーを注文した。バーガーキングハンバーガーのサイズ感に惑わされがちだけれど、実はポテトのボリュームにやられてしまう。普通サイズのワッパーにポテトをつけて日には、もう一日何も食べなくていいくらいお腹がいっぱいになる。ダブルチーズバーガーで思い出される、「ハライチのターン」での「ダブルチーズバーガー論争」。昨日くらいから岩井さんがネットを騒がせていて、まぁなんというか、そうですかぁという感じ。バーガーキング前の広場では明日から始まる「エヴァンゲリオンポップアップストア」の準備が進められていた。色々な刺激がすべてエヴァンゲリオンに行き着くようになっている。その後はピエリ守山内をうろうろして、帰路に就いた。スーパーの生鮮食品コーナーに生きたクリオネが売られていたので、思わず写真を撮った。「観賞用に!ずばり!!」と書いてあって、「ずばり」の便利さがすこし面白かった。帰宅してからは寝たり起きたり作業をしたり。今日も早めに寝たい。

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ずばり

 3/19(金):昨日は寝る前にTVerで「千鳥vsかまいたち」を見た。かまいたち・濱家がミッツマングローブに扮するキャラクター「ミッツ濱家」がどうやったら人気になるのか、という企画。この4人なら30分立ちトークでもいいんじゃないかと思ったりした。今日はすこし早めに起きて、朝ご飯を食べながらまたまたTVerで「テレビ千鳥」を見た。1時間スペシャルで、内容は「ガマンすず」。大悟が大好きな広瀬すずに会うのを我慢して我慢して、それからようやく会うというのを1時間。それで面白いんだからすごい。あと、パーマあてたてで髪の毛くるっくるの広瀬すずさんがシンプルにかわいかった。それにしたって15万円するピアスってなに。その後はいそいそと準備をして外出する。電車に乗って京都へ。学部時代の友人の家へ行く。友人宅近くのバス停で集合して、とりあえずお昼ご飯を食べた。食後はあまりに天気が良かったので、近隣を散歩。めちゃくちゃあたたかい。陽向を歩いていると、すこし暑いくらいだった。春。桜で有名な平野神社をぶらぶらしてみたり。大部分の桜はまだほとんど蕾だったけれど、いくつかの枝垂桜や色の濃い品種は5分咲きといったところで、青空に映えて美しかった。観光客もぼちぼち。例年通りならこの時期の平野神社には茶店が出ていて、中には焼肉をしながらお花見をしている人達もいるのだが、やはり今年は何もない。いや、今年も何もなかった。当たり前だった風景が奪われるのは、端的に寂しい。一通り桜見物を済ませた後は友人の家に移動して、夕方まで話し込んだ。バスに乗り京都駅まで戻ると、琵琶湖線が死んでいる。うわぁ帰れないじゃんと一瞬絶望したものの、河瀬駅までは動いていたのでセーフだった。夜は「ぴったんこカンカン」のスペシャルを見たり。およそ一年ぶりの出演となる大泉洋が大暴れしていた。シェフ大泉が、お見舞いしていた。福山雅治から送られたタラバガニを変なチャンポンにしていて、これこそシェフ大泉の真骨頂という印象。最近は「豪華なもの」という謳い文句でタラバガニを見ることが多い。テレビで。タラバガニって、近頃の若い人にも「豪華なもの」で通じるんでしょうか。

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春。

 3/20(土):春分の日。春です。今日は早めに起床して、早い時間から車に乗って外出。名神高速道路を西へ進む。祝日と土曜日が重なるという、あまり歓迎されない日ではあるけれど、道路は混雑していてそれなりに渋滞もしていた。特に上り線は渋滞がひどく、三連休の最終日にニュースで見るやつじゃんと思うくらい。事故も多かった。道中で3件。すべて玉突き事故。車間距離はしっかり取りましょう。事故渋滞の脇を通る時にみんなちょっとスピード緩めるの、面白いですね。今日は道路に血痕がべったり残っていてちょっとそれどころじゃありませんでしたが。目的地は宝塚大劇場で、余裕を持ってでたはずが事故渋滞の影響もあってかなりギリギリの到着になってしまった。ひぃひぃ言いながら改札を抜けて、着席。前が通路になっている22列目の席で、同列の人の前を通る必要がなかったのが救い。カバンで殴られたりしたこと、ありますよね。どうですか。殴る側だったりするんでしょうか。どうですか。演目は星組公演『ロミオとジュリエット』。かつて礼真琴が新人公演で主演した作品で、およそ8年ぶりの再演となる作品。最近の小池修一郎氏はこういう風に「新人公演で主演した作品をまた本公演で」という采配をすることが多いような気がする。紅ゆずるお披露目公演の『THE SCARLET PIMPERNEL』もそうだった。『オーシャンズ11』はちょっと違うけれど。今作は潤色・演出を小池氏が担当する他、稲葉太地氏も演出に入っている。珍しい布陣だなと思いながらパンフレットを見ていると、こういう状況で公演が半年延期された結果小池氏が梅田芸術劇場などで演出を担当している作品と今作の期間が丸々かぶってしまい、こういうことになったらしい。確かに、ここ最近の小池氏の忙しさったらない。『ポーの一族』、そして『モーツァルト!』も控えている。結構なお年なので、体調が心配になるくらいだ。『ロミオとジュリエット』に戻ると、もう本当に素晴らしかった。B日程の配役だったけれど、もう最高だった。トップコンビもさることながら、マーキューシオの天華えまさんが素晴らしい。グッと成長している。マーキューシオの「傷は泉ほど深くないし、教会の門ほど広くもない」「謝るな。謝るのはガキだけだ」といった名セリフの数々にしっかりと腰が入っていた。礼真琴率いる星組、本当に充実している。観劇後はキャトルレーヴや宝塚ホテルで買い物をして、早めに帰路に。写真を大量に買ってしまった。あとは萩の月萩の月を製造している菓匠三全が礼真琴さんのスポンサーなので、すこし前から星組の公演期間中は大劇場で萩の月が買えるようになっているのです。東京でも売っているのかな。夕方くらいに帰宅。観劇後特有の疲れがあるので、今日は早めに眠りたい。

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ここはヴェローナ

 

 3/21(日):雨。めちゃくちゃ天気が悪い。昨晩から降り出した雨は激しさを増していて、ほころび始めた桜の蕾を濡らしている。ぼんやりと見ていた「シューイチ」は二週に渡る片瀬那奈卒業スペシャルの前半で、釣りをしたりキャンプをしたりと「シューイチ」らしい内容だった。テレビ業界も色々大変なんだろうなと思うニュースが多いけれど、最近はわきの甘さをうかがわせるようなニュースも多い。大変ですね。雨が激しいけれど、ちょっとした用事があったので午前中から外出する。昨日とは打って変わって、人出が少ない。祝日、そして「荒天になります」という天気予報の影響が昨日の混雑だったのかもしれない。普段はあまり行かないスーパーのリカーコーナーをうろうろしていると、前々から気になっていた「ジーヴァイン・ジン」と出会った。思わず声が出た。ブドウから作られた珍しいフランス生まれのジンで、買おうか悩んだけれど、結局買わなかった。すこし前に買ったクラフトジンがまだ丸々一本残っているのだ。ただ、今になって後悔している。もう二度と会えないかもしれない。人生?スーパーのお酒売り場で感じる人生とは。お昼過ぎに帰宅。午後は寝たり起きたりだった。雨が降っていると、そういう感じになる。誰か怒って欲しい。怒るまではいかなくても、こう、管理してくれる人がいて欲しい。夜は「せっかくグルメ」が放送されていなかったので、「イッテQ」をリアルタイムで見た。中岡創一は一流のコメディアンです。

 

庵野秀明『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』

 さらば、全てのエヴァンゲリオン。ありがとう、すべての仕組まれた子供たち。『エヴァンゲリオン』は終わった。電車、ヴンダー、エヴァ。あるいは『エヴァンゲリオン』という作品そのものから、シンジが、アスカが、レイが、退場していった。

 物語終盤のDパート、シンジとゲンドウが相対する場面ではシリーズを通じた今までの各場面が「スタジオに組まれたセット」として描かれ、碇シンジの孤独──葛城ミサトという立派な保護者がいたにせよ──が浮かび上がる。母はすでにおらず、助けたはずの綾波レイは消え、仮称アヤナミすら自らの目の前でLCLへと姿を変えた。現実と空想を行き来する中で、『エヴァ』の伝統的メタファーである電車内で碇シンジ碇ゲンドウは向き合う。それぞれが、それぞれに。ずっと避けていたシンジの中に、ずっと求めていたユイの姿を見たゲンドウは電車を降りていく。しかし、シンジはまだ降りることが出来ない。電車からも、エヴァからも。『シン・エヴァンゲリオン』には、「決着をつける物語」という一面がある。碇シンジは父である碇ゲンドウの因縁に。そして葛城ミサトは、「人類補完計画」を提唱した父親との因縁に。

 「世代を通して引き継いでいくものがある」ということ、「それでも生きていかなければならない」ということの象徴が、Aパート「第三村」の場面である。村の中心とみられる広場は「廃電車の扇形車庫」で、これはこの村が「電車の行き着く先」であること、そして「人々の営みが一度途絶えたこと」を示している。碇シンジは、この村でも孤独だった。鈴原トウジ相田ケンスケといったかつての同級生たちが家庭を築き、小さな社会の中で大きな役割を担っている一方で、自分は肉体的にも精神的にも成長していない。それどころか、第三村の人たちが第三村に生活する原因は自分自身に他ならない。それでも、「生活」を通して徐々に失語症から立ち直った碇シンジは、村を離れヴンダーに戻る決意をする。決着をつけるために。

 なんと表現すればいいのか分からないが、テレビシリーズや旧劇場版、そして新劇場版を観たひとりのファンとして、この作品が終わったことが、そしてチルドレンたちがこのような形で「エヴァを降りることが出来た」ことが、まずもって嬉しい。空想には現実を動かす力が、現実には空想を動かす力がある。

 

週間日記(2021/3/8~3/14)

 3/8(月):寒いような、あたたかいような。ぼんやり起きて、ご飯を食べながらTverで「マツコ会議」を見る。先週に引き続き、マツコ・デラックス星野源との対談企画。差し伸べられた手を見逃すなという話と、孤独に耐えなければならないという話。星野源というスター。午前中から外出。友人と会うために京都へ行く。四条の辺りで集合して、ぶらぶらと歩いていると、早咲きの桜が咲いている場所があった。春が瞬きを始めている。説明書きを見ると「春めき(足柄桜)」という品種だった。いい名前。特にどこでお昼ご飯を食べるとかも決めずに歩いていたのだが、良さそうなお店があったのでそこに入った。パスタランチを決め込む。おそらく数年ぶりにスープパスタを注文。メニューには「ギリシア風」とあったけれど、ギリシアにスープパスタってあるのだろうか。アテネの風景が懐かしい。数年前に旅行で行ったときは、なんと言えばいいのか、財政の逼迫具合が街を歩いているだけでもありありと分かった。首都の道路はガタガタ、オリンピックのために建設されたと思われる競技場が廃墟のようで…。もしかしたら、数年後の東京なのかもしれない。怖い怖い。お昼過ぎに解散して、帰路に就く。天気も良いので、京都駅まで歩いた。久しぶりに東本願寺の横を通ったら、猫は一匹。二匹いるときとそうでないときの差はなんなのだろう。駅に着いたら、JRがめちゃくちゃ遅れていた。携帯にJR西日本の遅延通知アプリをインストールしているのだが、最近あまり上手く動作していない。10時に発生した遅延の通知が夜にまとめて来る、みたいなことが多い。結局出たとこ勝負。遅れている電車に乗って、途中でジャンプを買ってから帰宅。『呪術廻戦』、やっぱり面白い。ここ数週の脹相はほとんど炭治郎になっている。頑張れお兄ちゃん。そこから夜までは、無。夜からも無。早めに眠る。

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春めき

 

 3/9(火):早めに起きて、朝ご飯を食べながら「ZIP」を見る。ぼんやりと天気予報の中継を見ていたら、「春めき(足柄桜)」が紹介されていて、あまりのタイムリーさにびっくりした。「卒業式に満開の桜を見られるように」というコンセプトのもと開発された品種らしい。確かに昨日の時点で9分咲きくらいだった。食後急いで用意を済ませて、アルバイトよりも早い時間に家を出て車に乗り込む。今日は『シン・エヴァンゲリオン』を見るのだ。ついに。前作『Q』が高校三年生の冬で、そこからいったい何年待ったのか…。エヴァが、終わる。エモーショナル。エモーショナルと言うほかない。湖岸道路をひた走りながら、今までのエヴァシリーズに思いをはせる。もちろん安全運転で。長かったなぁ。映画館について、チケットを引き換える。ぼちぼちの人出。ほとんどの人がエヴァを見に来ているのだろう。上映時間が長いことは知っていたので、昨日の夜から水分摂取量をコントロールしてから臨んだ。完全に集中して観た結果だが…何も言わないでおく。ここではなくて、個別のエントリーで書きます。なんというか、内容はもちろん「面白い」とか「面白くない」とかそういう情報すら排除した上で観たかった。普段はネタバレされることをはまったく気にならないのだけれど、『シン・エヴァンゲリオン』に関しては違った。なぜかは分からない。映画が終わって、すぐ車に乗って帰路に就いた。車内で宇多田ヒカルを流しながら。そこから今まで、ずっとエヴァのことを考えていた。ありがとうすべてのエヴァンゲリオン。ぼんやりインターネットをしていたら、NBAのニュースがあった。ブレイク・グリフィンがネッツと契約したらしい。うそだぁ。面白くないよ。おそらくゴール下でのプレイになるのだと思うが、ここ数年は怪物スラムダンカーのイメージも薄くなっている印象がある。果たしてどうなるのだろう。

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 3/10(水):天気が良い。午前中にうたた寝をしていたら、排気口に入り込んだウグイスを捕まえるために四苦八苦する夢を見た。これをもって春とします。今日は本当に何もしていない。花粉がめちゃくちゃ飛んでいるので、外にも出ていない。昨日見た『シン・エヴァンゲリオン』のことを考えたりしたくらい。ここ最近は午後に「ちちんぷいぷい」を見ながら過ごしている。もう20年以上放送している長寿番組だが、今週の金曜日をもって放送が終了する。関西の午後といえばみたいな番組で、物心ついたころから見ていたので普通に悲しい。ここ最近はあまり見られていないとはいえども。人間、なくなると聞くと悲しくなる勝手な生き物です。久々に通った道に更地が出来ていると「あれ?なんだっけ?」と思う、そういう生き物です。今日の日記、終わりです。

   

 3/11(木):3月11日。多くの人にとって、特別な日。10年前のこの日、そしてあのとき、私は中学校の体育館にいた。全校生徒が集まって「三年生を送る会」という行事が行われているそのさなか、なんの予兆もなくそれはやってきた。いち早く揺れに気づいた幾人かの生徒たちから広がったざわめきは瞬く間に体育館全体に伝播して、天井からつるされている大きな電灯がぐらぐらと揺れ出す。悲鳴を上げる女子生徒と、にわかに事態を察知し始める教員たち。当時まだスマートフォンはほとんど普及しておらず、緊急地震速報もなかった。思えば揺れている電灯を見つめながらただおろおろと立ち尽くす私たちの姿は、あまりにも無防備で滑稽だったのではないだろうか。震源地から遠く離れた滋賀県にも届いた揺れはほどなくして収まり、「三年生を送る会」はその後恙なく終わりを迎えた。「揺れたね」「怖かったね」なんて会話のあと、帰宅してテレビをつけた私の目に飛び込んできた情報は、未だ形容することが出来ない。あんなにも凄惨なニュース、テレビを私は知らない。その後も断続的に伝えられる被災地の情報は、信じられなかった。燃え盛る東北の街、「壊滅状態」というテロップ、爆発する原子力発電所、増え続けていく死者数。いったい未来はどうなるのだろう。そんな日々だった。あれから10年。果たして自分は一体何を成し遂げることが出来たのかと、そんなことを思うばかりだ。

 

 3/12(金):部屋の窓を開けても寒くないくらいの気温になってきた。ワイドショーではしきりに桜の開花予想日が伝えられていて、春の到来を感じさせる。今年の春も、去年の春とはまた違った苦しみがあるのだろう。今日はぼんやりと起きて、録画していた「テレビ千鳥」を見ながら朝ご飯を食べた。「俺は米屋の息子やから」と繰り返しながらお米の値段当てゲームを間違えるノブがベタで面白かった。それからは家のことをする。「ハライチのターン」を聞きながら掃除機をかける。岩井さんの上級メイクさんの話で、すぐさま「タモリ俱楽部のメイクさんだろ?」と相槌を入れる澤部さんに笑う。お昼くらいからは作業を進める。ようやく雪組公演『fff』のエントリーを書くことが出来た。数か月ずっと忙しく、そして体調を崩していたので正直なにもできていなかった。2020年は本当に停滞としか言いようがない1年を過ごしてしまったので、2021年は心を入れ替えなければならない。夕方からは「ちちんぷいぷい」を見ていた。今日が最後の放送回。グランドフィナーレと言ってもいい。出演者による最後の一言コメントでロザンの菅さんが「さすがっす」とだけ残したのがかっこよかった。ロザンはコンビで大阪ガスのCMに出演しているのです。関東の人には相方であるクイズ王・宇治原の方がなじみ深いかもしれないが、関西では菅さんの知名度も高い。そして、宇治原さんには菅さんがいなきゃならないなと私は思っていたりする。夜は「ぴったんこカンカン」のスペシャルを見ていたのだが、あまり好きな内容ではなかったので途中から「かりそめ天国」にチャンネルを変えた。最近流行っているけれど、芸能人が占いを受けているところを見るというコンテンツの需要はどこにあるのだろう。いや、こういうことを言い出したらもう終わりが近い。良くない傾向だ。「エヴァ」のエントリーをどう書こうか考えながら早めに寝たいと思う。

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 3/13(土): 昨日は寝る前にTVerで「シンパイ賞」と「テレビ千鳥」を立て続けに見た。ピン芸人、ヒコロヒーと納言・薄幸をフィーチャーした「シンパイ賞」は時代の流れに逆らうのかその波に乗っているのか、よく分からない内容になっていた。酒とたばこにその身を費やし、方々からの借金を積み上げていくヒコロヒー。「こいつ(ヒコロヒー)の生ビール飲んだあとのぷはぁっていう顔が満島ひかりさん超えたんですよ」というせいやに笑ってしまう。最近はお笑い芸人がルームシェアをしている様子を見ることが多い。東京の家賃を考えると、その方が生活をしやすいのだろう。思えば「トキワ荘」の時代から、我々一般消費者は「夢を追う人たちが集まる場所」みたいなものに憧れがあるのかもしれない。今日もぼんやりと起きる。今週のデヴィ夫人は島忠ホームズで買い物をしていた。午前中から車に乗って外出する。昨晩から降り出した雨はやんでおらず、車窓を叩いていた。まだ冬用タイヤを交換していないので、いつにもまして車間距離と速度に気を遣う。雨×スタッドレスタイヤ、本当にドキドキする。到着したアウトレットはめちゃくちゃ混んでいた。めちゃくちゃというか、普段は平日の昼間に行くことが多いので、こっちがいつも通りのアウトレットなのだと思う。すこし前からいわゆるビジネスリュックみたいなものを探していて、ネットでいくつか良さそうなものを見つけていたのだが、やっぱり実物が見たくなってのアウトレット。数店舗回って欲しいなと思うものもあったけれど、いかんせん予算オーバー。ちゃんとしたものは高い。今日は保留ということで…とつぶやきつつ、帰路に就いた。飲食店の待ち時間もすごいことになっていたので、昼食は途中のラーメン店で済ませた。土曜の混雑とスタッフの殺伐具合で、こっちから見て分かるくらいにオペレーションがバタついていた。こう、ラーメンの味にノイズが混じるので出来る限りやめて欲しい。帰宅してからは作業をしたり、寝たり。『シン・エヴァンゲリオン』について考えているけれど、余白がなさすぎて書くことがない。それでもなにか、なにかあるだろうと思って、ずっと考えている。たぶん、もう一度劇場に足を運んだ方が速い。

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お味噌ラーメン。

 

 3/14(日):あたたかいような、寒いような。一雨ごとに春が近づいてくるとはよく言うけれど、東京では桜が開花したらしい。人間たちが混乱していても季節は巡るし季節が巡れば花も咲く。これは何かを言っているようでいて、その実何も言っていない文章の好例です。ウィトゲンシュタイン的ナンセンス。今日も午前中から外出した。やっぱりリュックが欲しい。なぜだか分からないけれど、今無性にリュックが欲しい。そういうわけなので、昨日よりも遠出をしてリュックを探す旅に出た。果てしない旅路。不要不急に分類されそうだけれど、それはそれこれはこれ。いくつかのお店を回って、結局買ったのは昨日予算の問題で保留にしたものだった。これもまた巡り合わせというやつでしょう。あっちの方がいいけどこっちの方が安いしな…でものを買うと、何かあったときにめちゃくちゃ後悔してしまうので、最初からこうなる運命だったのかもしれない。これでもうしばらく服やカバンを買うことはない。はず。お昼過ぎに帰宅して、午後は作業をしたり。夜は「バナナマンのせっかくグルメ」を見た。今日は2時間半スペシャル。地方ロケが出来ない状況は変わっておらず、今週もお取り寄せグルメをスタジオで食べるという流れだった。最近は「ロケが出来ない」という理由で長く続いていたテレビ番組が放送を終えることが多い。それは建前で、本音は製作費を削りたいから、みたいな理由なのかもしれない。ただ「せっかくグルメ」を見ていると、リモートとはいえいくらでもやりようはあるよなと思ってしまう。今日は早めに寝たい。

 

感想:雪組公演『fff フォルティッシッシモ─歓喜に歌え!─/シルクロード~盗賊と宝石~』

 現雪組トップコンビ、望海風斗・真彩希帆の退団公演が幕を開けた。2020年は新型感染症の流行を受けて世界全体が様々な影響を受けた年であり、2021年になってもその状況は変わっていない。この『fff』もまた、本来の上演スケジュールから変更を余儀なくされた。変更をしなければならなかったのは、おそらく公演日程だけではなかっただろう。感染症対策が徹底され、社会状況がいくらか改善し再び上演が再開されるようになったとはいえ、以前と同じような形式で公演を打つことは出来ていない。宝塚の大きな特徴である「オーケストラの生演奏」は中止され、密集を避けるためにおよそ80人という出演者はAチームとBチームに分割されている。かつて当たり前だった「華やかで夢々しい世界」はその姿を変えた。変えなければならなかった。

 しかし、それでも宝塚歌劇団のポリシーは変わっていない。今届けられる最高のものを届けること。今作の作・演出を手掛ける上田久美子氏の演出に、その心意気を感じさせられた。多くの演出家を抱える宝塚歌劇にあって、上田久美子という演出家は「宝塚とはなにか」を常に念頭に置いた作品を生み出しているように思う。物語はまずモーツァルトテレマンヘンデルといった時代を築いた天才たちが、天国の扉を前に天使たちと口論しているところから始まる。天使によれば、彼らが未だ天国の扉を通ることが出来ないのは本来神のものであった音楽を貴族のために使い出したからだという。三人は憤るが、彼らの後継者が音楽をどのように扱うによって彼らの処遇が決まると天使が告げたため、下界を見下ろす。そこにいたのは、オーケストラを指揮するルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(望海風斗)だった。まず、この場面の演出が素晴らしい。スポットライトをその背に受けるルートヴィヒが立っているのは銀橋ではなく、まさしくオーケストラピットにある指揮台の上なのだ。本来ならばそこには、実際に楽器を携えたオーケストラの面々が座っているはずなのだが、今現在虚しい空間が広がっている。しかし上田久美子は、そのような状況すら演出に組み込んでみせた。指揮台にはトップスター望海風斗を、ピットには炎を模した姿の楽員たちを。ハンディキャップすらも演出に用いる上田久美子の手腕にさまざまなものを感じ、涙せずにはいられなかった。オーケストラが交響曲第3番『英雄』を奏でるなかルートヴィヒは銀橋のセンターに移動し、続けて両花道にナポレオン(彩風咲奈)とゲーテ(彩凪翔)が現れる。フランス革命後の動乱を生きた三人のスターたち。この三人に共通するものはなにか。

「神を恐れるどころか、人間の力を信じ、人間であることを叫び、その声で天を突き上げようとしている!」

       ──モーツァルト

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ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(望海風斗)

 『fff』という作品が描くのは、「人間」である。かつて教会の、神のものであった音楽を人間のものにしたルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンを通して、「運命を前にして人間という存在に何が出来るのか」を描く。だからこそ、この物語の主人公は”楽聖ベートーヴェンではなく”人間”ルートヴィヒなのだ。貴族の支配にNOを突きつけたフランス革命はまさしく人間の、人間個人の勝利を歌い上げる出来事だった。ルートヴィヒはその思想に共感し、自らの音楽によって人間という存在を照らそうとする。作品を通じて彼を「ベートーヴェン」と呼ぶのはサリエリメッテルニヒといった、「体制側」の人間だけというところにも、演出の徹底ぶりが見える。物語はここからナポレオンへの傾倒と決別、ゲーテとの衝突、愛する人との別れなど、楽聖の人間らしい部分にクローズアップしながら進んでいくが、この作品で特徴的なのは「ナンバー(曲)の多さ」と「謎の女(真彩希帆)というキャラクター」だろう。上田久美子の演出した作品に共通するのは出演者の歌う場面の少なさで、特に『神々の土地』ではヒロインにすら歌う場面がなかった。しかしこの『fff』は違う。望海風斗と真彩希帆を筆頭に、ミュージカルらしい場面が随所に散りばめられている。それはおそらく「ベートーヴェン」という題材に由来するだけではなく、この作品が「望海風斗と真彩希帆の退団公演だから」だろう。百年を超える歌劇団の歴史の中でも屈指の歌唱力を誇る二人が退団公演で演じるに相応しいキャラクター、物語。上田久美子が出した結論が『fff』という作品そのものなのではないだろうか。「真彩希帆が演じるのは”謎の女”」というのも面白い。物語の結末に深く関わる部分であるため直接的な言及は避けるが、ルートヴィヒにしか見えない存在として登場するこの「謎の女」を真彩希帆が演じるという発想がすごい。そして、彼女自身の特異とも言える演技力で「謎の女」を演じきった真彩希帆のパフォーマンスシーンは素晴らしいものだった。

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謎の女(真彩希帆)

 そして次期トップコンビである彩風咲奈・朝月希和のパフォーマンスも素晴らしかった。彩風は燃え尽きるように生きたナポレオンを丁寧に演じていて、物語後半、雪原の陣中でルートヴィヒと語り合う場面が印象に残っている。朝月はルートヴィヒの幼馴染みで初恋の相手であるロールヘンを儚げに、たおやかに生きていた。花組から雪組雪組から花組、そしてまた花組から雪組のトップ娘役にと、目まぐるしい異動を経た彼女の負担は想像に難くないが、トップ娘役としての活躍に期待したい。ロールヘンの夫でありルートヴィヒの親友であるゲルハルトもまた難しい役どころだったが、朝美絢のパフォーマンスも良かった。端正で派手なビジュアルが取りざたされることの多い彼だが、望海風斗のもとで抑制した魅力を持ち始めたように思う。彩風咲奈のもとで新生雪組を支えるに申し分ない男役ではないだろうか。そして、この作品をもって退団する彩凪翔にも言及しなければならない。華のある男役として雪組を長年に渡って支えてきた彼の退団は寂しい。彼の演技力には特筆すべきものがあった。『ONCE UPON A TIME IN AMERICA』のジミー役で見せたパフォーマンスには忘れられないものがある。初めてのバウホール単独主演となった『春雷』で演じたゲーテを退団公演で再び演じるという巡り合わせに、運命のようなものを感じずにはいられない。

   

 ショー『シルクロード』は、生田大和氏が初めて手掛けるレビューであること、楽曲を菅野よう子氏が担当することで発表時からファンの間では話題になっていた。そしてこちらの作品もまた、望海風斗・真彩希帆の歌唱力を最大限にフィーチャーすることで二人の送り出す、素晴らしいショーだった。

 特に印象に残っているのは終盤のシーン15。上海の夜を彩るナイトクラブ「大世界(ダスカ)」を舞台にした場面で、真彩希帆がクラブの歌姫を演じているのだが、この曲がまさしく「真彩希帆にしか歌えない」曲なのだ。具体的に言えば宝塚には珍しい「ラップ調」の曲なのだが、真彩のノビノビとしたパフォーマンスには思わず笑ってしまう。羽織夕夏・有栖妃華という歌唱力に秀でた二人の娘役を両脇に従えた彼女の凄みは、いつまでも語り継がれるだろう。余談だが、生田大和氏は『CASANOVA』でも仙名彩世たちにラップを歌わせているので、そういう演出が好きなのかもしれない。

 印象に残っている場面はもうひとつあって、シーン6で彩風咲奈・朝月希和のコンビが見せたダンスが素晴らしかった。この二人は『Music Revolution』でも素晴らしいダンスパフォーマンスを見せていて、新たな雪組の未来を感じずにはいられない。

 非常に見応えのあるショーだったように思う。この作品で退団する笙乃茅桜や煌羽レオ、真地佑果、ゆめ真音、朝澄希に、最大限の拍手を送りたい。

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彩風咲奈・朝月希和